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黒の悪魔が死ぬまで。  作者: 曖 みいあ
第二章:新しい世界
29/72

紅の光の中で

*挿絵があります。

 文章のみで楽しみたい方は、お手数ですが非表示にしていただければと思います。

「…んっ…。」


頭が…ぼーっとする。


ここは…どこ、だ…。俺は…。



俺は…。



ーー『…戻ってこい、ヨウ…。』


ーーー『俺は、ずっと…。お前の、そばにいるから。』




…そうだ、俺は…あの時…、確かに…。



「…ア、オ兄…。」


まだ…ほとんど、無意識に。

ぽつりと、声に…出してみる。



そのまま、少しずつ覚醒してきた頭で…。

自分に起こった出来事を、思い返していく。



あの時…。


ブレイズから、アオ兄を…ヒマリを…守りたいと思った、あの時。

何も分からなくなって、周りが真っ赤に染まっていって…。


俺は…包み込まれた、その深紅に。ずっと…身を任せていた。


何も考えず、ただ、自分を包む、濃い深紅のモヤを、見つめて…。




どれくらい…、そうしていただろうか。


ある時、突然。

その深紅のモヤの中から…アオ兄が、飛び出してきて。



俺に近付いて…抱きしめてきて。


俺の肩口に、顔を埋めて。


強く強く、抱きしめながら…。




ーー『…戻ってこい、ヨウ…。』


ーーー『俺は、ずっと…。お前の、そばにいるから。』



そう、つぶやいたから。



俺は…。



『うん。俺はずっと…アオ兄と、一緒にいるよ。』



そう、答えたんだ。





そしたら…目の前が暗くなって…夜に、なって…。


そう、夜の森の中…、

立っていられなくなって…俺は、その場に…倒れた。



意識を手放す直前。

夜空を背に、アオ兄が…いつもの、ニヤッとした顔で…。


俺の方を…見下ろしていたような、気がして…。









「…アオ兄っ!!!」


俺は、回想から完全に覚醒した頭で、こう叫んだ。





「うーん、申し訳ないんだけど…。俺は、”アオ兄”じゃ…ないよ?」


そう言って…、目の前の男が、笑いかけてくる。



挿絵(By みてみん)



薄暗い室内…。どこかの…地下室、だろうか?


俺が…何故か座らされている椅子の、ちょうど正面。

正面にも、椅子があって。そこに座ってこちらを見る、この男は、一体…誰だろう?



…やたらと、”真っ黒な”軍服を、着ている…この男は…?



俺は、わけもわからないまま。

嬉しそうにこちらをみる、その男から…



…不思議と、目をそらせないでいた。


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