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黒の悪魔が死ぬまで。  作者: 曖 みいあ
第一章:あの日、再び
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さよならとハンカチ


「はぁっはぁっ。

…これで!やっと!…ミッション、コンプリートっ!」


あの後、

レンに後をつけられてやしないかと…ヒヤヒヤしながらも。


何とか、誰にも邪魔されることなく、計画通りの物を、買うことができた。

俺の手には…キレイにラッピングされた紙袋が…2つ。



「こっちがヒマリで…こっちが、シゲ叔父さんの分っと。

間違えないように、しないとなっ。」


誰に言うでもなく。

メインストリートから、少し離れた森で。


2人へのプレゼントを間違えないように、

もう一度、ぞれぞれ声に出して確認する。


ヒマリがブレイズ隊長に、偶然漏らした欲しい物とは…

…父親と一緒に使える、ハンカチだった。



『お父さんは…明るい黄色のカラーズで、私は、赤みがかった黄色っ!

えへへ、同じような色が発現して、私、嬉しいんです!』


ヒマリはこう言って、

”それぞれのカラーズにちなんだハンカチが欲しい”と、

ポツリとこぼしていたらしい。


(父親想いの、ヒマリらしいな。)




…ただ、

ヒマリのカラーズ”赤みがかった黄色”のハンカチは、

…なかなか珍しいらしくて。

結局、見つけるのに、6軒ものお店を巡ることになった。



「でも、ちゃんと見つかったし!良かった!

…へへ、喜んでくれますようにっ!」



夏だから、まだまだ空は明るいが。

それでもいつの間にか、噴水広場の時計は…夕方の、4時30分を少しまわっていた。


プレゼントを汚したくないから、少し早いけど…ゆっくり歩いて。

ここから、約40分のヒマリの家の近く、

約束の場所である”大きな切り株”を、目指すことにした。





振り返った、ジャアナの街並み。


”黒の悪魔”による大惨事【黒の誕生】から約7年、


このミタ山に移り住み、毎日のように見慣れた、


この、平和な日常を…



…もう、二度と


見ることが…できないなんて。




このときの俺は、

そんなこと、少しも、考えていなかった。




ーーー【黒の再来】まで、あと1時間18分ーーー

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