転校生してきた学校に
※最初は重いです。いじめはダメですやめましょう
高貴で上下関係がハッキリしいじめも多発するこの学校に転校生が・・・・
先生に呼ばれ入ってくる。
ざわざわ ざわざわ
転校生の異様な姿に皆がざわつく。
全身の肌を隠すように包帯を巻いた、まるでミイラの様な人が入ってくる。
「リリ・ハルスです、よろしくお願いします」
ボソボソと自己紹介をする弱そうな人、声的に女性かな?
「こちらこそよろしくお願いしますね!リリさん!」
元気に明るく、振る舞うこのクラスのマドンナ。
に続いて仲良く他の生徒は拍手を送る。
感情が読めない彼女はコクリと頷くだけだった。
昼休み、先生も居なくなればクラスのマドンナが転校生に近寄る。
「なんで、そんな不気味なの?怖いんだけどー私ならそんな事できなーい」
早速始まる、皆はすでに、的だと知っていた。
「肌を隠してるなんて、まるでリスカしてる説でてくるわー」
このクラス最強の男も混ざる。
転校生は本を読むばかりで
こちらを見向きもしない。
「もしかして図星!?じゃあなら今日からお前はリスカバリーだな(笑)語呂いいし(嗤)」
「よろしくね♪リスカバリー(笑)ちゃん♪」
皆からそう言われはじめても、俯いて読書を続けて何も言わない
「えーきっも」
「シカトとか無いわー」
皆が彼女から離れていく。
時は流れ体育祭、この学園では能力を使用したバトルロワイヤルが開催される。
殺しあうゲームだ、もちろん本当に殺さない
ただギブアップになるまでやりぬく。
1~5位の人は次の日、学内新聞にデカデカと掲載される。
大体載るのは、学園の四天王と他の人。
一枠だけの希望はあるが、そうそう載れる様なものではない。
皆はすでに載るのは諦め・・・る訳がない。
この学園は強者こそ正義だ!
たとえ載れなくても、戦い抜かなければ弱者として扱われ勝者にいじめられるいや奴隷にされる。それが嫌でこの行事に命をかけている者もいる。
転校生は初めての参加となる。
最初の配置はどこからでも良いみたいだ。
屋上でも地上でも室内でも。
私はちなみに、屋上から高みの見物といこう。
始まりの合図の笛がなる、皆が教室、運動場などで戦闘を始める。
徐々に人数が減ってきた所で、私も参加しようと思い飛び降りかけるも
気配を感じてとどまり振り向いた。
私は首をかしげる。
相手は武器を構えて襲ってきた、から私も持っていた鉄パイプで応戦する。
・・・・・・。
終了の合図
この場所に立ち上がっているのは、いつものメンツ。
ともう一人。
次の日
皆の順位が発表される学内新聞を見て手が震えているクラスのマドンナ。
「嘘・・・でしょ?」
目がひきつる彼女が珍しくて集まるクラスメート。
「どうしたのー?あっまさか順位が低かったの(笑)?」
首を振って、皆に記事を見せると
目を大きく見開いて、転校生の方を見る。
いつもの様に読書をしている寡黙なやつ。
四天王一人を差し置いて4位になり
写真付きで記載されている
リリ・ハルス、通称リスカバリーの姿。
これは四天王界でも、衝撃が走る、いやそれだけじゃない
先生も全生徒が、驚愕したのだ。
何十年も更新されることがなかった記事に
初めて変動が起きた。
クラスでは
「イカサマよ!絶対隠れてたのよきっと!」
認められないから、いじめた奴がこんな結果を残すなんて!
皆の心を、嫉妬や妬み恐怖などが襲う。
「「「「いい加減何とか言えよ!!!!」」」」
ここに来て初めて彼女は
「あははっ!滑稽滑稽・・・いや失礼」
一笑いして
立ち上がり二度目の声を発した。
「此処では勝者がルールらしいと聞いた」
勝ち誇った笑み、言っている事は正しく何も
「言えるわけないだろうが!!!!!!」
ガシャンと花瓶を投げられ、彼女の隣ではかなく割れ水が落ち、木を侵食していく、
「ふざけやがって」
これ以降彼女はこの教室から、いないものとして扱われた。
それでも彼女は何事もなく、毎日を過ごしていく姿は、逆に存在感が増す。
掃除の時間、魔が差して彼女に水をかぶせようと
教室の窓から、彼女を狙った。
バシャッ
そしたら四天王の一人が水に濡れてしまった事を見て皆は、あーあと他人事
貴方たちだって盛り上がっていたのに。
私は隠れて震えた、絶対的勝者に逆らうことは・・・・死と同じ。
「ふー間に合ったって感じ」
ポタポタと滴り落ちる水、そして
イタズラを考えた少年の様に笑った。
「どうした?何を考えている?」
「何でもない。それより君が無事で良かった。リリ・ハルスさん」
知らない顔に困惑するも、ありがとうと言葉を述べる。
「何故名前を?」
「??何故って当たり前じゃないか、四天王の一人を落とした人を僕は忘れる訳がない。本当に写真で見た通り、包帯巻いているんだね」
嫌がらずに優しく笑ってくれる。
「僕は、怪山 実乃、モデルをやってる。それで四天王の一人でもある」
「・・・・・・整った顔羨ましい限りだ」
「ありがとう。ねえリリさんの表情見てみたいなぁー、ねぇ?ダメかな?」
企みそして勝者の笑み、それでも余裕な転校生の攻防に
周りの皆が、引き込まれる様に視線がいく。
四天王と同じ雰囲気を醸しだす、かつ敬語口調じゃないことに皆が
緊張感を覚える中で
次に言った彼女の言葉は
「良いよー見せたげる、リスカなんてしてないってことを今ここで証明しようか」
スルスル、と顔の包帯を取れば現れる、傷が顔半分を痛め付けている。
皆が化け物だと、引く。
怪山実乃は静かに
「誰にやられたの?明らかに人じゃない」
転校生は友達と話す感じのノリで
「そんなことより、私は皆にリスカバリーって呼ばれんだけどー。意外と気に入っててさー、てことでこれから私はリスカバリー、リスカを乗り越えるする女だ」
と答え
今関係ない事にイラッという感情を覚える男。
「へぇーそうなんだねー」
笑いながらも、覇気をだすモデルはレアだ。
ゴゴゴゴ
キンコーンカンコーン
「あっ下校の時間だ」
消えていく人だかりと視線。
はぁーとため息ついて
「じゃあまたね、リリさん」
包帯を巻きながら
「名前は覚えたから、じゃあまた次の機会に」
言葉を交わし二人は別れた。