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告文(こうぶん)

[著者注:以下、大日本帝国憲法の条規に関してはhttp://www.houko.com/00/FS_BU.HTMより抜粋します。それ以外のサイトより抜粋する場合は、抜粋部分の下にリンクを提示します]

皇朕レ謹ミ畏ミ

皇祖

皇宗ノ神霊ニ誥ケ白サク皇朕レ天壌無窮ノ宏謨ニ循ヒ惟神ノ宝祚ヲ承継シ旧図ヲ保持シテ敢テ失墜スルコト無シ顧ミルニ世局ノ進運ニ膺リ人文ノ発達ニ随ヒ宜ク

皇祖

皇宗ノ遺訓ヲ明徴ニシ典憲ヲ成立シ条章ヲ昭示シ内ハ以テ子孫ノ率由スル所ト為シ外ハ以テ臣民翼賛ノ道ヲ広メ永遠ニ遵行セシメ益々国家ノ丕基ヲ鞏固ニシ八洲民生ノ慶福ヲ増進スヘシ茲ニ皇室典範及憲法ヲ制定ス惟フニ此レ皆

皇祖

皇宗ノ後裔ニ貽シタマヘル統治ノ洪範ヲ紹述スルニ外ナラス而シテ朕カ躬ニ逮テ時ト倶ニ挙行スルコトヲ得ルハ洵ニ

皇祖

皇宗及我カ

皇考ノ威霊ニ倚藉スルニ由ラサルハ無シ皇朕レ仰テ

皇祖

皇宗及

皇考ノ神祐ヲ祷リ併セテ朕カ現在及将来ニ臣民ニ率先シ此ノ憲章ヲ履行シテ愆ラサラムコトヲ誓フ庶幾クハ

神霊此レヲ鑒ミタマヘ



「さてさて、最初は『告文(こうぶん)』といわれているものなんだ」

伊野上は桃子に画面を見せながら話し始めた。

「告文?」

「王や皇帝が臣下の人々に対して告げる文章のことだよ。"こうもん"・"つげぶみ"とも言うね。今回の場合は天皇陛下が日本国民に対して告げてるって思えばいいよ」

「じゃあ、皇祖とか皇宗の前で段落が変わっているのは?」

「天皇陛下や貴族の方々、称号などの対して敬意を払うため、1字や2字分下げることを闕字(けつじ)と言って、さらにそれ以上の敬意を表したいときには、文章の途中だろうが関係なく改行を入れるんだ。それを平出(へいしゅつ)と呼んでいるんだ。今回の場合は平出のほうだね」

「読み方もよくわからないや……」

「じゃあ読みあげてみるね」

伊野上は桃子が聞きとりやすい声で、朗読し始めた。

皇朕つつしかしこ

皇祖こうそ

皇宗こうそう神霊しんれいまうサク皇朕天壌無窮てんじょうむきゅう宏謨こうぼしたが惟神ただかみ宝祚ほうそ承継しょうけい旧図きょうと保持ほじシテあへ失墜しっついスルコトかへりミルニ世局せいきょく進運しんうんあた人文じんもんノ発達ニしたがよろし

 皇祖

皇宗ノ遺訓いくん明徴めいちょうニシ典憲てんけんヲ成立シ条章じょうしょう昭示しょうじうちもち子孫しそん率由そつゆうスルところそともち臣民しんみん翼賛よくさんみちひろ永遠えいえん遵行じゅうんこうセシメ益々(ますます)国家ノ丕基(ひき=国家統治の基礎)ヲ鞏固きょうこニシ八洲民生(やしま〈日本の美称〉みんせい=日本臣民の生活)ノ慶福けいふく増進ぞうしんスヘシここ皇室典範こうしつてんぱん及憲法ヲ制定スおもフニみな

 皇祖

皇宗ノ後裔こうえいのこシタマヘル統治とうち洪範こうはん紹述しょうじゅつスルニほかナラスしかシテちんおよびときとも挙行きょこうスルコトヲルハまことに

皇祖

皇宗及我カ

皇考ノ威霊いれい倚藉いしゃスルニラサルハシ皇朕レあおぎて

皇祖

皇宗及

皇考こうこう神祐しんゆういのあわセテ朕カ現在及将来ニ臣民しんみん率先そっせんシ此ノ憲章けんしょう履行りこうシテあやまラサラムコトヲちか庶幾ねがわクハ

 神霊しんれいレヲかんがみミタマヘ 」

[著者注:以上の読み方はhttp://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/dainihonnkokukennpou.htmよりとりました。なお、直接コピペ[ただし、不要と思われるスペースは削除]しております。以下、読み方に関しては本ページを主に用います]

「まったく意味がわからない……」

「今じゃ使わない言葉もあるし、とりあえず、現代語訳をしながら進めていこう。日本国憲法をしたときと同じようにして行くのが一番だと思うから、そうするよ。

今上天皇である私は慎み畏み、皇祖、皇宗に対して言わせて頂きます。私はいつまでも続いていく天地のようにいつまでも続くようにはるか先までの心構えに従い、神の皇子の位を継ぎ、これまでの伝統を維持し続け、放棄したり別の方法をとることはありません。これまでのことを振り返ってみれば、世界の時代がすすむにつれて人文の発達が進むごとに、皇祖、皇宗が遺して下さいました訓戒をはっきりと明らかにしたうえでさまざまな規則を作り、条章を明らかにして、国内に対しては子孫がこれらの規則から外れないようにし、外国に対しては臣民の一人一人が私を補佐してくれることが大事なのだということを広め、永遠に遵行を行いさらなる国家の基盤を確固たるものにし、この日本に住む臣民の生活レベルの幸せを増進するべきでしょう。それらを考えた結果、皇室典範と憲法を制定します。このことを思い返してみれば、これらのことはすべて、皇祖、皇宗の子孫に対して残せるような統治の規範に従いまして、これから行動することに他ならず、このことから、私のこの身に何かあった時には揃って執り行うことができるのは、本当に皇祖、皇宗及び皇考の神威に頼っていることに由来していないわけがありません。私は皇祖、皇宗及び皇考の方々によります神の助けと私からの祈りを合わせて、私が今生きており将来に産まれてくるであろう全ての臣民に対して率先しこの憲法の条文を履行し、物事を過ちなく行うことを誓います。今切に願っておりますのは、神霊の方々はこのことをお導きください」

「…そう言われても、よくわからない単語がある」

「皇祖、皇宗、皇考、神霊の4単語だと思うんだ。すでに調べておいたよ。皇祖というのは天皇陛下の祖先のこと。つまり天照大神や神武天皇のことになるんだ。皇宗は神武天皇の次の代から今上天皇の前の代までの間、この憲法が公布された時は明治天皇の御在位だから第2代の綏靖(すいぜい)天皇から孝明(こうめい)天皇までだね。皇考というのは今上天皇が先代の天皇を指して言う言葉。神霊は神様のことだね」

「つまりは、これまでの天皇に対して憲法を制定するまでのいきさつを説明しているんだね」

「ま、中身をみる限りはそういうことになるかな」

伊野上は頭をかきながら、いろいろ言っていた。

桃子はそのことを簡潔にメモ帳にまとめ上げていた。

さらに伊野上に渡すと、パソコンのメモ帳へと移し換えた。

「次は、憲法発布勅語だね」

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