表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

第7章 補則

第七章 補 則

 

第七十三条 将来此ノ憲法ノ条項ヲ改正スルノ必要アルトキハ勅命ヲ以テ議案ヲ帝国議会ノ議ニ付スヘシ

2 此ノ場合ニ於テ両議院ハ各々其ノ総員3分ノ2以上出席スルニ非サレハ議事ヲ開クコトヲ得ス出席議員3分ノ2以上ノ多数ヲ得ルニ非サレハ改正ノ議決ヲ為スコトヲ得ス

 

第七十四条 皇室典範ノ改正ハ帝国議会ノ議ヲ経ルヲ要セス

2 皇室典範ヲ以テ此ノ憲法ノ条規ヲ変更スルコトヲ得ス

 

第七十五条 憲法及皇室典範ハ摂政ヲ置クノ間之ヲ変更スルコトヲ得ス

 

第七十六条 法律規則命令又ハ何等ノ名称ヲ用ヰタルニ拘ラス此ノ憲法ニ矛盾セサル現行ノ法令ハ総テ遵由ノ効力ヲ有ス

2 歳出上政府ノ義務ニ係ル現在ノ契約又ハ命令ハ総テ第67条ノ例ニ依ル



桃子と伊野上が並んで座っているところに、麦茶が置かれていた。

「いよいよ最後だね」

伊野上は桃子に話しかける。

「第7章は補則って書いてあるけど」

「その他、憲法に書いておく必要があるものを、一番最後に持ってきてるだけだから、大丈夫。さっさと済ましておこう」

そう言って、いつも通りの順番で続けた。

「第7章 補則

第73条

① 将来此ノ憲法ノ条項ヲ改正スルノ必要アルトキハ勅命ちょくめいもっテ議案ヲ帝国議会ノニ付スヘシ

② ノ場合ニおいテ両議院ハ各々(おのおの)ノ総員3分ノ2以上出席スルニあらサレハ議事ヲ開クコトヲス出席議員3分ノ2以上ノ多数ヲルニあらサレハ改正ノ議決ヲスコトヲ

第74条

① 皇室典範ノ改正ハ帝国議会ノ議ヲ経ルヲ要セス

② 皇室典範ヲもっノ憲法ノ条規じょうきヲ変更スルコトヲ

第75条

憲法及皇室典範ハ摂政せっしょうクノ間之これヲ変更スルコトヲ

第76条

① 法律規則命令又ハ何等なんらノ名称ヲもちヰ(い)タルニかかわラスノ憲法ニ矛盾むじゅんセサル現行ノ法令ハすべ遵由じゅんゆうノ効力ヲ有ス

② 歳出上政府ノ義務ニかかるル現在ノ契約又ハ命令ハすべテ第67条ノ例ニル」

「意味としては、

第七十三条、将来、この憲法を改正する必要があるときには勅命で憲法改正の議案を帝国議会に提出する。

 2、1項の場合は、両議院とも各議院の3分の2以上の議員の出席がなければ議事を開く事は出来ず、出席議員の3分の2以上の賛成がなければ、改正することはできない。

第七十四条、皇室典範の改正は帝国議会の議決は必要ない。

 2、皇室典範の条規によってこの憲法を変えることはできない。

第七十五条、憲法と皇室典範は摂政がおかれている間は改正することができない。

第七十六条、法律、規則、命令など、いかなる名前であろうとも、この憲法に矛盾していない全ての法令は従わなければならない。

 2、歳出上、政府の義務にかかわっている憲法施行時の契約や命令は全てこの憲法の第67条に従うものとする」

伊野上は首の後ろを押さえて、マッサージをした。

「それじゃ、これで自由研究は終わりかー」

「お疲れ様」

桃子は、伸びをしている伊野上に向かって聞いた。

「今じゃ、人権は憲法によって保障されてるんだよね」

「ああ、『日本国憲法』な」

元に戻って桃子に言い返す。

「あの…好きになるっていうのも、人権の一つだと思う?」

「そんなこと言われてもな……」

伊野上は急に言われて困ったような顔をした。

「ううん、気にしないで」

桃子はそう言って、片付け始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ