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第6章 会計

第六章 会計

 

第六十二条 新ニ租税ヲ課シ及税率ヲ変更スルハ法律ヲ以テ之ヲ定ムヘシ

2 但シ報償ニ属スル行政上ノ手数料及其ノ他ノ収納金ハ前項ノ限ニ在ラス

3 国債ヲ起シ及予算ニ定メタルモノヲ除ク外国庫ノ負担トナルヘキ契約ヲ為スハ帝国議会ノ協賛ヲ経ヘシ

 

第六十三条 現行ノ租税ハ更ニ法律ヲ以テ之ヲ改メサル限ハ旧ニ依リ之ヲ徴収ス

 

第六十四条 国家ノ歳出歳入ハ毎年予算ヲ以テ帝国議会ノ協賛ヲ経ヘシ

2 予算ノ款項ニ超過シ又ハ予算ノ外ニ生シタル支出アルトキハ後日帝国議会ノ承諾ヲ求ムルヲ要ス

 

第六十五条 予算ハ前ニ衆議院ニ提出スヘシ

 

第六十六条 皇室経費ハ現在ノ定額ニ依リ毎年国庫ヨリ之ヲ支出シ将来増額ヲ要スル場合ヲ除ク外帝国議会ノ協賛ヲ要セス

 

第六十七条 憲法上ノ大権ニ基ツケル既定ノ歳出及法律ノ結果ニ由リ又ハ法律上政府ノ義務ニ属スル歳出ハ政府ノ同意ナクシテ帝国議会之ヲ廃除シ又ハ削減スルコトヲ得ス

 

第六十八条 特別ノ須要ニ因リ政府ハ予メ年限ヲ定メ継続費トシテ帝国議会ノ協賛ヲ求ムルコトヲ得

 

第六十九条 避クヘカラサル予算ノ不足ヲ補フ為ニ又ハ予算ノ外ニ生シタル必要ノ費用ニ充ツル為ニ予備費ヲ設クヘシ

 

第七十条 公共ノ安全ヲ保持スル為緊急ノ需用アル場合ニ於テ内外ノ情形ニ因リ政府ハ帝国議会ヲ召集スルコト能ハサルトキハ勅令ニ依リ財政上必要ノ処分ヲ為スコトヲ得

2 前項ノ場合ニ於テハ次ノ会期ニ於テ帝国議会ニ提出シ其ノ承諾ヲ求ムルヲ要ス

 

第七十一条 帝国議会ニ於テ予算ヲ議定セス又ハ予算成立ニ至ラサルトキハ政府ハ前年度ノ予算ヲ施行スヘシ

 

第七十二条 国家ノ歳出歳入ノ決算ハ会計検査院之ヲ検査確定シ政府ハ其ノ検査報告ト倶ニ之ヲ帝国議会ニ提出スヘシ

2 会計検査院ノ組織及職権ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム



さっくりとお昼を食べると、残りを済ますべく、伊野上と桃子は再びパソコンに向かった。

「第6章についてだったね」

桃子がいつもの定席につくと、伊野上に聞いた。

「そうだよ。会計についてで、税金についてとか国会の予算についてとかが書かれてるんだ。どうする、いつものように読み方からするか」

「よろしく」

桃子がそう言ったのを聴いてから、伊野上がうなずいていつもどおりに読み方から始めた。

「第6章 会計

第62条

① あらた租税そぜいヲ課シおよび税率ヲ変更スルハ法律ヲもっこれヲ定ムヘシ

② ただ報償ほうしょうぞくスル行政上ノ手数料及其収納金しゅうのうきんハ前項ノ限ニラス

③ 国債ヲ起シ及予算ニ定メタルモノヲ除クほか国庫こっこノ負担トナルヘキ契約ヲスハ帝国議会ノ協賛きょうさんヘシ

第63条

現行ノ租税そぜいさらニ法律ヲもっこれあらたメサルかぎりきゅうこれ徴収ちょうしゅう

第64条

① 国家ノ歳出さいしゅつ歳入さいにゅうハ毎年予算ヲもっテ帝国議会ノ協賛きょうさんヘシ

② 予算ノ款項かんこうニ超過シ又ハ予算ノほかしょうシタル支出アルトキハ後日帝国議会ノ承諾ヲ求ムルヲ要ス

第65条

予算ハさきニ衆議院ニ提出スヘシ

第66条

皇室経費ハ現在ノ定額ニ依リ毎年国庫ヨリこれヲ支出シ将来増額ヲ要スル場合ヲ除クほか帝国議会ノ協賛きょうさんヲ要セス

第67条

憲法上ノ大権たいけんもとツケル既定きていノ歳出及法律ノ結果ニリ又ハ法律上政府ノ義務ニ属スル歳出ハ政府ノ同意ナクシテ帝国議会之これ廃除はいじょシ又ハ削減スルコトヲ

第68条

特別ノ須要すようリ政府ハあらかじ年限ねんげんヲ定メ継続費トシテ帝国議会ノ協賛きょうさんもとムルコトヲ

第69条

クヘカラサル予算ノ不足ヲ補フためニ又ハ予算ノほかしょうシタル必要ノ経費ニツルためニ予備費ヲもうクヘシ

第70条

① 公共ノ安全ヲ保持スルため緊急ノ需用アル場合ニおいテ内外ノ情形じょうけいリ政府ハ帝国議会ヲ召集スルコトあたハサルトキハ勅令ちょくれいリ財政上必要ノ処分ヲスコトヲ

② 前項ノ場合ニおいテハ次ノ会期ニおいテ帝国議会ニ提出シノ承諾ヲ求ムルヲ要ス

第71条

帝国議会ニおいテ予算ヲ議定ぎていセス又ハ予算成立ニいたラサルトキハ政府ハ前年度ノ予算ヲ施行スヘシ

第72条

① 国家ノ歳出歳入ノ決算ハ会計検査院之ヲ検査確定シ政府ハノ検査報告トともこれヲ帝国議会ニ提出スヘシ

② 会計検査院ノ組織及および職権ハ法律ヲもっこれヲ定ム」

「日本国憲法にも出てくる文言がいくつか聞こえてきたんだけど…」

「けっこうあるよ。先に分からなかった意味だけを取っていこうか?」

「いいや、後でまとめて聞くよ」

「そう?」

まあいいかと呟いてから、伊野上はこれまた同じように続けた。

「第六十二条、新規に租税を課したり、税率を変えたりする場合は、法律によって決める。

 2、但し、報償に関する行政上の手続きやその他の収納金については、前項にとらわれない。

 3、国債を発行したりすでに予算に書かれているものを除き、国庫の負担が必要な契約は、帝国議会の協賛が必要となる。

第六十三条、この憲法が施行される前に施行された法律による課税については、法律の改定以外には以前と同様とする。

第六十四条、国家の歳入や歳出は、毎年の予算によって決め、予算の決定については帝国議会の協賛を必要とする。

 2、予算に書かれている額を超過したり予算外に必要となった支出については、後日帝国議会の承認が必要となる。

第六十五条、予算案は衆議院に先に提出する。

第六十六条、皇室経費はいま決められている定額を国庫から支出し、将来増額をする時を除いて帝国議会の協賛は必要ではない。

第六十七条、憲法に記載されている大権に基づいている既定の歳出や法律によるもの、法律に記載されている政府が義務としての歳出は、政府の同意がない場合は帝国議会は廃除したり削減したりすることができない。

第六十八条、特別の理由による予算は、あらかじめ政府は継続費として帝国議会の協賛を必要とする。

第六十九条、避けることができない予算の不足を補うためや予算外に必要となった支出のための費用に充てるために予備費を設ける。

第七十条、公共の安全を保持するために緊急の需要がある場合で、内外の状況によって帝国議会の召集が不可能な場合において、勅令によって財産上の必要な処分をすることができる。

 2、前項の場合は、次の会期の時に帝国議会に前項の処分を報告し、帝国議会の承諾を必要とする。

第七十一条、帝国議会で予算が承認されなかった場合や、予算が成立しなかった場合は、政府は前年度の予算を執行するものとする。

第七十二条、国家の歳入と歳出の決算は会計検査院が検査、確定し、政府はその検査報告とともに決算書を帝国議会へ提出する。

 2、会計検査院の組織と職権については法律で定める」

「収納金って?」

「収納金は、地方や国に払った税金のことだよ。基本的に現金で払われた国税、地方税法に書かれた地方税、それに返納金だね。それらをまとめて収納金と呼んでいたんだ」

桃子は、へーという顔をしているだけだった。

「それで、サクサクっと最後に入る?」

「そうだね、それがいいね」

桃子は俺の声で我に返ったようで、そう返してきた。

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