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61/63

61.こんな支援魔法で大丈夫ですか?

私は詠唱する。


「影の精霊シャドウよ。追随する幻影を現実と成さしめ前途を切り拓く弓とならん≪影の隷属(シャドウ・パペット)≫!」


魔法陣が発動するとともに、黒い影のようなモノが現れる。


それはすぐに支援対象であるミューズさんへ憑りつくように吸収されるようにして消えた。


「ぐはははははははははぁ! どんな大層な魔法を使うのかと思えば、影の隷属(シャドウ・パペット)か!!」


笑うのも無理はない。


この影の隷属(シャドウ・パペット)はCランクの、ごく普通の魔法だ。


というのは、


「しょせん攻撃魔法を一人から数人にするだけのヘボ魔法じゃねえか!! 宣言してやるぜ!! お前がもしも風の魔法の弓をそれで何本に増やそうが、俺には傷一つ付かねえとなぁ!!」


そうなのだ。


魔法書にもそのような解説が注意点として明記されているくらいである。


しかし、


「分かってないですね。師匠の凄さを、ふふん」


ミューズさんは謎の自信に満ちているのだった。


支援魔法を使った私は自信なぞ皆無なのだが……。


「がはははは! 行くぞ、貧弱なエルフが! 俺の大ナタで一太刀にしてやるぜえ!!」


オーガの一体が突撃してきた。


あの巨体から繰り出される一撃は、岩をも砕くだろう。


可愛いエルフのミューズさんが防げるものではない。


それはミューズさんも分かっているはずだ。


だが、彼女はそれを涼し気な表情で真正面から見据える。


そして、


風の弓(ウインド・ショット)


詠唱破棄!


本来それは緊急時にやむを得ず行う魔法行使の方法だ。


なぜなら、魔法の発現の失敗率が格段にはねあがるからである。


私も緊急時以外には決してしない。


だが、ミューズさんの場合は例外なのだ。


なぜなら、彼女はエルフの王女にしてエアリエルもシルフィードという風の上位精霊をも従える、実は凄いエルフなのである。だから詠唱を破棄した程度で魔法発現に支障をきたすことはない。


ただ、


「がーっはっはっはっはぁ!!何をするかと思えば『風の弓(ウインド・ショット)』か! ヘボ魔法じゃねえか! そんなものが2本になろうが傷一つ付きゃしねえってんだよう!!」


オーガはついに、その大ナタを振り下ろす!


しかし、


『ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ』


風の弓(ウインド・ショット)』が立てるべきではない、異音が鳴り響いた。


と、同時に。


「は?」


オーガの口から間の抜けた声が漏れた。


いや……違う。


「絶命しとることに気づいていないんですか?」


ミューズさんは言う。


「私の師匠の前から消えなさい。柔らかい鬼」


そう彼女が言った、途端、オーガは百の肉塊となって崩れ去った。


「さすが師匠ですね」


彼女は朗らかに言う。


「対人レベルの魔法が、対軍レベルになるんですから」


本来一本の風の弓を、一気に百本、至近距離で正面から放ったミューズさんはそう言って微笑んだのである。

【応援よろしくお願いします!】


 「面白かった!」

 「続きが気になる、読みたい!」

 「セラやミューズたちはこの後一体どうなるの?」


 と思ったら


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