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~束の間~

こんな稚拙な作品にブックマークを付けてくださった奇特な方。

本当にありがとうございます。


 わたしたちは村の中に向かって歩いていた。

 道中、カナンにはセフィドさんのことについて話していた。

 野盗から助けてくれたこと。

 彼はとても優しくて、わたしのことを気遣ってくれていること。

 その優しさに触れ、わたしが心を開いていったことも伝えた。

……肝心な部分は触れないで。

 わたしが話し終えると、カナンはセフィドさんに頭を下げていた。


「エレを助けてくださってありがとうございます」


 感謝の言葉を告げたカナンにセフィドさんは困り顔をしていた。

 どうやら、お礼を言われるようなことはしていないと思っているみたいだ。

 その様子を察したのか、カナンは言葉を続けた。


「あなたはわたしの唯一の親友を救ってくれたんです。 だからお礼は受け取って頂けないと、こっちが困っちゃいます」


 そう言って真っ直ぐな瞳を向けて笑顔を向けるカナンに見つめられて、セフィドさんは観念したように手を挙げた。


「どういたしまして。君たちの日常を守れたならよかった」


 セフィドさんがそう言うと、わたしは思わず笑ってしまい、続けてカナンもクスクスと口元を隠しながら笑っている。

 セフィドさんが困った顔をしながら頬を掻いているの見ながら、二人で笑いながら村に向かっていった。










 村に着いたわたし達は、すぐに事情を説明しに村長宅へ向かった。

 そこではアンデッドに対しての緊急対策会議が行われているようだ。

 村の中は暗くピリピリとした雰囲気に包まれていて。

 そんな中で、わたし達の姿を見つけた村人たちが駆け寄ってきた。

 皆一様に心配してくれており、中には泣いている人もいて、わたしは胸が締め付けられる思いになる。

 その後、わたしは事の経緯とセフィドさんの説明した。

 すると、みんな納得してくれたようで、安堵のため息をつく人や、セフィドさんに尊敬の目を送る人がいたりした。

 それから、セフィドさんを交えて村長との話し合いが行われた。


「アンデッドの討伐が確認できるまでは村にいてもらう事になった」



 村長はそう言いながら、ちらりと視線を向けた。

 居心地悪そうな表情をしたセフィドさんを見て、わたしは思わず笑みをこぼしてしまう。

 アンデッドが発生した場所はここから少し離れた森の奥深く。

 そのため、調査と討伐に時間がかかるかもしれないとのことだった。

 その間はこの村に滞在してもらい、安全が確認され次第、旅を続ける運びとなった。

 そして、セフィドさんは村の人たちに歓迎された。

 最初は戸惑っていたセフィドさんだけど、次第に打ち解けていき、今では村の子供たちと一緒に遊んでいる。

 まるで本当のお父さんのように見えたセフィドさんの姿を見て、微笑ましかった。

 青い空が広がり、のどかな広場で子供たちがセフィドさんに群がっていた。



 平和な時間がいつまでも続いてほしいと願っていた。



 そんな時間は唐突に終わりを告げることになると、その時は思っていなかった。




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