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【書籍版6巻発売中!】怪物たちを統べるモノ ~能力『プレイヤー』使いは最強パーティーで無双する!~【コミカライズ2巻発売中!】  作者: Sin Guilty
第四章 『虚ろの魔王』編 前半

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第269話 『王佐の在り方』⑨

 こうなればソルにとって、ガウェインの重要性が一層高まるのは自明の理と言える。


 戦闘能力などとは違い、もしも突然ガウェインの能力が何者かに()()()()()()()としても、彼の創り上げたものは消え去ったりしないし、一度()り、身に着けた知識や技術を忘れ去ることもないだろうからだ。


 ソルとガウェインの望みが完全に一致していることもあり、これ以降もガウェインはありとあらゆるこの世界における能力、奇跡、希少魔物をその目で見ることになる。


 ()り、理解し、そして再現するために。


「そんなこともできるのですね……」


「……すっご」


 ルクレツィアとファルラはもちろん驚愕してはいるものの、「そんなことができるはずがない」という思考にならないあたり、はやくもソル一党として慣れ始めているともいえよう。


 とはいえ人間に比べれば大きい自分たちの身体に、苦も無くフィットしてない違和感を感じさせないだけでもすごいと思える『魔導制御衣(ファウンデーション)』が、『完全獣化』や『焔躰廻遷』にも対応可能になると言われても具体的にどうやるのかなど想像もつかない。


 獣化しても対応可能というのは、まだしも理解できなくもない。


 実際、人間用のサイズに作っているはずなのに今自分たちの身体にフィットしていることからしても、それは充分に可能な範疇なのだろう。

 ファルラとしては、完全獣化した際に自慢のふさふさの獣毛が『魔導制御衣(ファウンデーション)』にぴっちり覆われていたら絵にならないなあ……という、我ながらしょうもない心配をしてしまう程度だ。


 だが我が身を焔そのものと化す『焔躰廻遷』にも対応可能といわれても、それが実際はどんな風になるのかすら想像できないので「凄い」としか言えないのだ。


「それで、あのソル様……」


 さすがにリィンやフレデリカたちも驚いた表情を浮かべている中、いいタイミングと見てルクレツィアがソルに話しかける。


「私たちの事も、みなさんと同じく呼び捨てていただいてよろしいでしょうか?」


 できるだけはやいうちに、ソルから「いかにも身内っぽく」呼ばれること。

それは自分たちが思っていたよりも、かなり重要だと判断した結果である。


 本当に強い存在は、無意味に偉そうに振舞う必要などない。

 そしてそれだけの実力者がフランクに接するという事実は、それそのものが一定以上の価値を持つようになるのである。


 逆に側付きになりながらもいつまでもよそよそしくされていたのでは、沽券に関わるとも言えるだろう。


「ああ、その方が自然だよね……わかった。ルクレツィア、ファルラ、今日からよろしく」


「よろしくお願い致します」


「頑張ります!」


 そのあたりの機微を、フレデリカとの付き合いですでに学んでいるソルはあっさり了承してみせた。

 大国の王様や皇帝、世界宗教の教皇ともすでに付き合いがある以上、ある程度は「偉そうに振舞う」ことが必要な時と場合があることも理解できているのだ。


 ルクレツィアとファルラにしてみれば、まずは一安心といったところだろう。


「で、今日から僕たちは『勇者救世譚(クズィ・ファブラ)』にも記されている、魔王の居城がある『魔大陸』へと繋がる最終迷宮(ラスト・ダンジョン)の攻略に取り掛かります」


「承知致しました」


 左右に『全竜(ルーナ)』と『妖精王(アイナノア)』を浮かべたソルが、今日の予定をみなに伝える。


 フレデリカにしてみればそう答えるしかないのだが、さすがに内心ではそれなりに驚いている。


 ソルが『魔大陸』を手に入れることを望んでいる以上、いずれはそこへ繋がっていることが判明している最終迷宮(ラスト・ダンジョン)の攻略をすることは規定事項になっていたとはいえ、さすがに今日からとは思っていなかったのだ。

 

「ただ最初の計画では『全竜(ルーナ)』や『妖精王(アイナノア)』を軸に強引に力技で突破しようと思っていたんだけど、ちょっと事情が変わった」


 フレデリカがそう判断した根拠は今日から亜人種(デミ・ヒューム)獣人種(セリアンスロープ)の代表を迎え入れることだったのだが、今ソルが言ったとおり『怪物』たちによる強行突破が前提だったのであれば、そんなことは問題にもならない。


(わたくし)たちの育成を優先されるのですね?」


「正解。とはいえ今日は攻略初日だから、まずはいつものようにルーナやアイナノアによる高速レベルアップになるね。ルクレツィアとファルラには僕がなにを言っているのかまだわからないと思うけど、とりあえず一緒に来てくれればおおよそはわかると思う」


 主として『全竜(ルーナ)』によるパワー・レベリングを行いつつ攻略を進めるのであれば、極論6人の1stパーティー・メンバーは一緒に行動していればそれで済む。

 ソルもそう明言しているとおり、1日もあればみなのレベルを最終迷宮攻略が可能な域に引き上げるには充分である。


 つまり今ソルとフレデリカが口にした育成とは、単純なレベル上げを指しているのではない。


 当初のソルが最終迷宮(ラスト・ダンジョン)の突破と『魔大陸』への到着を最優先していたことはその言葉からも間違いないだろうが、『模擬戦』を経てその考えを修正したということなのだろう。


 とはいえその育成する場所が最終迷宮(ラスト・ダンジョン)ともなれば、今のレベルが三桁に至っているリィンやフレデリカたちであっても、レベル不足である事はほぼ間違いない。


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