夏真っ只中なので…。私が実際体験したちょっと怖い話
暑い毎日が続いています。皆様、どう過ごされているでしょうか。ひんやりするのか分かりませんが私が実際体験した話を書いてみようと思います。
数年前のお盆の時期、田舎の実家に帰省した時の話です。数時間かけてバスで帰りました。
実家に到着した頃には長時間のバスの移動に私は相当疲れていました。
自分の部屋に着くと、部屋は実家を出た当時の状態のままでしたが使っていたベッドは他の部屋に移されていました。そのため夜は他の部屋の押し入れから布団一式を出して寝る事にしました。
そうしてその日は両親と他愛もない話をしながら夕飯を食べ、外出する事もなく、わりと早い時間に布団を引いて寝てしまいました。
どれくらい時間がたったのか分かりません、ふと、ぱっと目が開き、仰向けの状態ではっきりとした意識のまま目が覚めました。部屋はかなり蒸し暑く、寝る前に付けておいた豆電球の明かりで天井がはっきりと見えました。(昔から真っ暗な部屋では寝られません)
あたりの様子も変わった事はなく自分の部屋だと分かる家具が視界に入りました。あぁ、実家に戻って来てたんだ。ここは自分の部屋だったなと思った時です。ふと自分の寝ている真横に違和感がありました。どうも何かがいる気配がするのです。すぐにその違和の正体を確認するため、顔を横に向けようとしましたが体がまったく動かない事に気が付きました。それでも目だけは動かせたので視界の端でそれを捕らえると、いました。人が。
手で頭を支える形でこちらに顔と体を向け、私の左隣に横たわっているのです。分厚い白いトレーナーを着ていて植物の葉をモチーフにしたフレームの刺繍に英字のロゴが入っているデザインのトレーナーでした。服装と体形から若い男性のように見えました。不思議な事に生身の人間のようにとてもクリアに、とれもリアルに見えました。
しかし顔だけは何故か、ぼやけて見えてよくわかりません。
突然の事でもうパニックです。隣の部屋で寝ている両親に助けを求めるため、声を出そうとしましたが出せません。もう、かなり焦りました。こんな経験は今までなかったからです。
パニックになりながらも、咄嗟にこの状態はマズイと思い、すぐに目を瞑りました。そうして亡くなった祖母がよく仏壇の前で読んでいたお経を思い出し、ひたすら心の中で唱え続けました。
それでもその間、ずっと声が聞こえてきます。
「ねぇ…ねぇ…」と呼ぶ声です。もう泣きたいくらいの恐怖です。かなりパニックです。
その声は直接耳から聞こえるわけではなく、頭の中に響くような不思議な聞こえ方でした。
どれくらいそうしていたのか分かりませんが、いつの間にか意識を失い、気が付いた時には朝でした。しばらく茫然として動けませんでした。私が見た人は、はたして誰だったのか…。体が動かなかったのはいわゆる金縛りだったのか?でも霊感なんてゼロなんですよ、私。今までそんな類は見た事も心霊経験もありません。
起きてすぐに両親に昨晩の出来事を話しても『へーそう。大丈夫だった?』と呑気な反応でまったく信用してくれませんでした。
その晩、久々にあった幼馴染に早速その話をしました。
幼稚園からの腐れ縁でもう数十年の付き合いの友人とは遠慮なく言いたい事を言い合う仲です。
「えーっそんなにはっきり生身の人間のように見えたのなら本当に生きている人だったんじゃない?」
いやいや…こいつは何て事を言うんだよ…。そんな事、言われるまで考えもしなかったから恐怖が更に倍増だよ…。本物の人間だった場合も怖いじゃない…。知らない人が突然自分の横で添い寝してるって状況、かなり怖いよ?そもそも生身の人間だった場合と幽霊だった場合、どっちが怖いんだろう?そんな独り言が一気に頭の中で駆け回りました。
「それとも彼氏を連れて帰って来てたの忘れてたとか?」
いや、その場合は逆に忘れている方が問題だろう…。
そんな事を言う友人に呆れながらもすかさず言い返してやりました。
「この暑い時期に、蒸し暑い部屋の中で季節を度返ししまくった、くっそダサくてぶ厚いトレーナー着てるような変態の知り合いなんていないし!」
「まぁまぁ…落ち着いてよ…」
苦笑いしながら私を宥める友人とはそのあと違う話で盛り上がり楽しく過ごしました。
あの出来事がなんだったのかモヤモヤしながら月日は流れました。しかし最近になってYouTubeを見ていた時にたまたまおすすめに出てきた動画が目に入りました。
動画の内容は、金縛りの99・9%は肉体と精神の疲労と言い切っている内容でした。
幽霊が見えるといっている人が金縛りという現象をキッパリそう断言している事にとても興味を持ちました。
シークエンスはやともさんという方のチャンネルで、幽霊が見える若手芸人として活躍している方のようです。分かりやすい内容と聞きやすい話し方で、さすがは芸人さんだなぁと感心してしまいました。(ちなみにいつもはモモウメチャンネルとインドの道端の屋台や飲食店で地元のインド人がひたすら豪快に料理を作る動画をよく見ています)
彼の動画を途中まで見た時、やっぱりあの時は疲れていただけなんだ!と、今まで解けなかった問題の正解が分かったようでスッキリしたのですが、動画の終盤になり『では、残りの0.1%はどういう現象が起きるのかと言いますと……』とその後に続けられた彼の言葉は衝撃でした。
私の体験がほぼ当てはまっていたからです。
やはり私が体験したあの出来事は、いわゆる金縛りで、私が見たものは幽霊だったのでしょうか…。
あの時何故あの男の顔がぼやけて見えたのか、という疑問もその後見た彼の他の動画で大変興味深い見解を聞く事ができ、何かストンと腑に落ちました。
でも結局のところ、幽霊がいるのかいないのか私にはよく分かりません。その後も不思議な出来事に遭遇しましたが。その出来事もずっと謎のままです。広い世の中、説明できない事の方が実は多いのかもしれませんね。