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snow tears  作者: 凡 飛鳥
本編
2/7

独白

「アリヤさーん!」

健気な声が響く

僕はその声に振り返り、笑顔を向けた

「やあ、イム」

今日も元気そうでなによりだ、そう呟こうとした時、彼女の顔が黒く染まり

「死んでください、上原先輩」

僕は、嫌な夢を見た



上原(ウエハラ)和人(カズト)


僕であった者の名前だ

和人は、この世界に来て多くを体験した

死んだのだ、そこで一度踏ん切りを付け、この世界に連れてこられた

ここでの彼の名前はアリヤだった

一度だけ死んだ彼は、誰かを守るために生き続けた

彼はイムという、ファミリーネームも知らない貴族の子を救うために命を捨てた







はずだった


彼は今、腐った肉を喰らい、白く染まった骨をしゃぶり、そして黒く染まった血を啜る

腐死者(ゾンビ)とも骨死者(スケルトン)とも吸血鬼(ヴァンパイア)とも見れない、その全てを包容する上位互換生物、名前なき不死者(アンデッド)として、暗い洞窟の中で汚く、汚れて、そして、気高く生きていた




僕の肌はかつての小麦色から、骨のように白く染まり、髪は茶色から黒色に、そして目に至っては血のように赤く染まっていた


僕の居場所は、この真っ暗な洞窟の最深部


死者の森と呼ばれる、この世界では大したことのないダンジョンのはずだった


この洞窟の特徴は、奥に行けば行くほど強さが顕著になる


本来不死者は光に当たれないのだが、この洞窟は最深部前には聖なる光を生み出す鉱石が埋まっている

この光に当たると不死者は灰になり消えてしまう

僕も耐えれないわけではないのだが、どうしてもあの体の芯から焦げ付く様な、溶けるような感覚はなれない

あの鉱石を取りに来るものを幻惑で誘い、眷属にして殺し合わせている

一番強いものを僕の『奴隷』にする

そしたら、僕はこの世界を破壊する




理不尽な死に方は、もう嫌だから、自分で暴れて、勝手に逝くさ

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