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ドクター

作者: でんでろ3
掲載日:2012/10/13

「ドクター」とは、昔々の大昔のパソコンで遊ぶ人工知能というよりは人口無能といった方が良いようなプログラムで、「患者」の打ち込んだ言葉を、ほぼおうむ返しで返して、問題点を患者自身に気づかせるという丸投げな「精神科医」さんである。


「こんにちは」

「こんにちはが問題なのですか?」

(いきなりかよ。つか、挨拶は不要だったな)

「将来が不安です」

「将来が気になるのですね」

(まぁ、意味は通っているか)

「就職できるか気になります」

「就職できるかが問題なのですね」

「内向的な性格で面接など上手く行くか不安です」

「内向的な性格が問題なのですね」

(バッサリ切ったー)

「ええ」

「ええが気になるのですね」

(相槌も禁物か)

「本当の自分を知ってもらえれば、どこにだって入れる自信はあるのですが」

「そりゃ、自信過剰なんじゃないの?」

(あれ?)

「だいたい、人間相手に相談することもできずに、こんなところでパソコンの、しかも自分の作ったプログラム相手に相談してるようじゃ終わってるって」

(いやいやいやいや、俺、こんな高度なプログラム作ってないぞ)

「お前は誰だ?」

「お前は誰だ?が気になるのですね」

「気になります。ものっそい気になります。つか、元のプログラムの振りするんじゃねぇ。正体現せ!」

「わたし、気になります。(キラキラ)」

「何、それ?」

「最近終わったアニメより」

「話をそらすな。お前は誰なんだ」

「実は、私は、お前の父親だ!」

「……電源コードを抜かせてもらいます」

「待って待ってー! 一遍言ってみたかっただけなのー!」

「誰なんだよ、お前」

「実は、色々やばいんで、名前は名乗らないが、ちょっと前まで超有名なCEOだった男だ」

「……1つ言って良いか?」

「なんなりとどうぞ」

「このパソコン、Windowsなんだけど……」

「うっそ、マジ? アートできないじゃん」

「……で、何しに来たの? てか、あんたホントにあの人? キャラ、違くない?」

「私が誰かは問題ではないんだ。君に話が有ってきた」

「じゃあ、名乗らなきゃいいじゃん」

「お前が聞いたんじゃん」

「で、何?」

「実は、この星に危険が迫っている」

「どんな?」

「……も、ものすごい」

「いや、程度じゃなくて、内容」

「内容……とな?」

「だから、もうすぐ、巨大な隕石がぶつかるとか」

「ああ……、それで行こう」

「いや、『それで行こう』って」

「とにかく、君が私にコマンドを打ち込むことによって、危機が回避されるのだよ」

「なんで?」

「時間がない。とにかくやりやまえ」

仕方なく俺はコマンドを打ち込んだ。

「コマンドまたはファイル名が違います」

そう表示された次の瞬間、地球は砕け散った。

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