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96章目 ぼんやり
部屋に戻る前に、沢郎さんらにそのことを伝えようと、まずは沢郎さんたちの部屋にやってきた。
しかし、インターホンを押しても反応がなかった。
「もう寝てるのかな」
「いや、早すぎだろ」
澤留に突っ込みつつ、一旦引き上げようとして、部屋から離れることにした。
エレベーターの中で、澤留は地球儀を眺めていた。
「どうかしたか」
聞いてみると、澤留は地球儀に目を奪われている。
「おい、どうした」
ぽんぽんと肩を叩くとやっと戻ってきたようで、ハッとして俺をみる。
「どうかしたか」
「なんだか、ふらっとして、ね」
澤留はそういうと、何か元気がないように見える。
しかし、足取りはしっかりして部屋へと戻ることができた。