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95章目 地球儀
コーヒーも飲み干し、コップを返すとホテルの部屋へと戻ろうとした。
その帰り道、澤留が何かを見つける。
「どうした」
ひょこっと店の中に入っていくのを見て、俺も澤留についていった。
店は土産物店だということはわかる。
ただ、雑貨店かもしれないと、その品揃えを見て思うようになった。
「どうしたんだよ」
「あ、これに呼ばれた気がして」
手にしていたのは手のひらぐらいの球体、どうも地球儀と呼ばれるもののようだ。
いつのものかはわからないが、緑や青色で塗り分けられているのを見るに、まだ地球がきれいだったころのもののようだ。
「……すいません、これ一つください」
他に探してみたが、一品ものらしく、似たようなものは見当たらなかった。
澤留はあっという間に買うことを決めたらしく、さっそくレジに持って行っていた。
俺は、特にそれを止めはしなかった。
ただ、金が足りなくなって、少し要求してきたときには、どうしようかは迷ったが。