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90章目 停車
「大丈夫ですよ、水は数千万年前のもので、いくらでもあるそうなので」
デニスさんが答えてくれ、澤留が静かになった。
数百台は入るような巨大駐車場の真ん中あたりにあって、普通車のスペースのそばだった。
トラック用の駐車場らしいが、その1台分のスペースに両方とも車を止めていた。
「あそこがサービスステーション?」
澤留が指さした向こうに4階建ての屏風のような永細く見える建物が連なっている。
見た目では500メートルくらいはあるだろう。
「そうです。北米連合一巨大なサービスエリアですので。あの2階以上の部分は全てホテルとなっています。1階部分はお土産屋や日用品を販売しています。ここは交通量が多いので」
「今日はここで泊まるのですか」
沢郎さんがデニスさんに聞いた。
デニスさんは車のキーを閉めつつ、そうですよ、と答えた。