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89章目 サービスエリア
それから1回休憩を入れることになった。
エリシウムと呼ばれる場所で、ここには宿泊施設もある巨大なサービスエリアとなっていた。
「北米条約連合は、お金持ちだったんだね」
改めて、澤留が感想を漏らす。
「そりゃあ、三極の一つだったんだし。やっぱり強かったんだじゃないの」
今は昔、ということにはなる。
最後に地球からの船がきたのは、授業だと十数年前。
ちょうど俺らが生まれた前後ぐらいになるそうだ。
デニスさんが、ちょうど前の車から降りてくるところで、ようやく周りがトラックの駐車スペースだということに気づいた。
「ここは、あなた方のところでは、第2段階に当たります。周囲のドームに依存しつつ、半自給自足を成し遂げました。水は、近くに巨大な氷床があるので、そこから持ってきています。もちろん、完全滅菌済みですよ」
外から水を持ってくるということを聞いて、澤留が何か言おうとしたが、すかさずデニスさんが答えてくれた。