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88章目 メッセージ
「……以上です」
フロッピーにはあとは意味が分からないデータの羅列があっただけらしい。
それは言葉にすることはできないらしく、エリーゼはその情報だけをくれた。
「結局、よくわからないなぁ。何が言いたかったんだろ」
澤留がエリーゼからフロッピーを受け取りながらつぶやいた。
「私にもわかりません。ただ、何か伝えたかったということだけはわかりました」
エリーゼがそういう。
実際、前半部分は謎でしかない。
ただ、後半は私的なメッセージで、思わず聞いてもいいのかどうかわからなくなるほどだった。
「……次、ライトメイヤーさんに会ったら、これ伝えないとね」
「そうだね」
あの壊れたドームはどうなったんだろう、ふと、そんなほんの昔のことを思う。
ただ、それについて答えはなかった。