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82章目 再びホテル
ホテルでは、同じように俺と澤留で一部屋、沢朗さんらで一部屋となった。
「それじゃ、俺はこっち使うよ」
ベッドはシングルが二つだ。
そして、トイレと風呂は一緒になっていた。
「私はこっちね」
俺は窓側、澤留はドア側のベッドにそれぞれ荷物を置く。
ずいぶん遠くまで来た気がするが、考えてみると1週間たったかどうかくらいだ。
「夏休み中には帰らないとな」
「そうだね」
俺が言うと、荷物を整理している澤留が何の気なしに答える。
「でも、火星半周しないといけないからね。どうやって帰ればいいのか、私にはわからないけどね」
「それは俺もだよ」
荷物を置いた俺は、備え付けの冷蔵庫の中を見た。
水ぐらいしかなかった。