72/137
72章目 司書
「ここには、今となっては大変貴重な古書や、資料の数々が眠っています。今では読めない古代文字もあります」
説明をしているのは、ここの司書の方だ。
古代文字といっても、実際には数百年前程度の文字だったりする。
当時とは文法も、単語も変化しているから、同じ綴りや発音であったとしても、意味が全く違うということがありうるらしい。
もっとも、どの言語でもそれはあることだけど。
「それで、どの資料を閲覧したいのでしたか」
「都市伝説のスーザンについて。それも、できるだけ古い資料が欲しいです」
俺が司書の方に説明をすると、ちょっと考え込んでから、近くにあったモニターで何やら操作する。
途端に、何かの風が通っていった。