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59章目 ノック
それからはお風呂に入ったり、飲み物飲んだり、そして、二人並んで眠った。
真夜中のこと。
ふとした時に俺は目が覚めた。
コン、コン、コン。と、単音が連続して響く。
それがドアのノックだと気づくのに時間がかかった。
「誰だろ……」
澤留がつぶやく。
どうやら起きていたようだ。
「行くよ」
俺が言う。
「そう?」
「そう」
短いやり取りの間、ノックの音は鳴り止んでいた。
俺がベッドから這い出して、ドアを開けると、やほーと元気な女性が立っていた。