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57章目 ベッド
「しかし、ベッドも小さいな」
小さいというより、俺らに合わせてくれているという感じではある。
「でも、ちゃんとベッドは分けてくれているんだよ」
ダブル1つではなくて、シングル2つのベッドだ。
ただ、隙間なくぴったり合わさっている。
「これだと転がっても落ちなさそうだね」
澤留が俺に話しかけてくる。
「そうだな、動きそうもないし」
言いながら、隙間はどこだろうと手で探る。
「あり、隙間ないな」
「えっ」
俺がシングルベッド2つと判断したのは、頭側のところで木彫り細工が分かれているからだ。
でも、境目がないということは、シングルベッド風のダブルなのかもしれない。
「まあいいや、寝れたら」
澤留がボフンとベッドに横たわり、わずかなホコリを巻き上げる。
「そうだな」
俺も澤留の真似をして、すぐそばに横たわった。