52/137
52章目 スーザンの噂
「それで、昔のスーザンについて知りたいのですってね」
「ええ、よろしくお願いします」
デニスさんが、部屋の隅に山積みにされていたパイプいすを持ってきて、俺たちを座らせてくれた。
車座になるように椅子をセットすると、そこに順々に座って行く。
たまにマイコ博士が英語で話すと、デニスさんが分かりやすい日本語に翻訳してくれていた。
「スーザンは、北米エリアのドームでは、みんな知っているわ。ただ、話してはいけないの。話したら、不幸が訪れるって信じられているから」
きっと嘘だけどね、とマイコ博士はペロッと舌を出して言った。