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50章目 博物館
総合博物館は、ドームの端にあった。
館内は観光客と思われる人が何人も歩いている。
その中で俺たちは研究目的だということで、裏口から入ることができた。
無論、デニスさんが身分証明書を守衛に見せてくれたというおかげでもあるのだが。
「こちらへ」
デニスさんが案内を続けてくれているが、向かった先は博物館の3階の端にある1つの研究室だ。
底に行く道中、たくさんの人とすれ違ったが、とても楽しそうな職場に見える。
もしも語学が堪能であれば、ここで働くというのも一つの選択肢かもしれない。
「図書室長も兼ねている方が、ここの研究室長です」
そこは、見たことが無い質感の木でできた扉だった。
デニスさんはノックをすると、ノブを回し、中に入れてくれた。