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44章目 旅行者証
市庁舎の中へ、俺たちは入っていった。
中は、大理石風の張り紙のような感じだ。
本物の大理石を持ってくるような余裕はなかったのだろう。
だが、少しだけだが、本物が混じっている感覚がある。
たとえば、これから向かっているカウンターとか。
市庁舎の中での手続きは、数分で終わった。
単に旅行登録をして、写真を撮られて、その上で旅行者証と呼ばれるカードを発行してもらった。
このカードがあれば、北米条約のドームは自由に行き来することができるらしい。
だから、絶対に、絶対になくさないようにとデニスさんに念押しされた。