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39章目 次のドームへ
ピロリンから出る許可が、正式に行政院長から出たのは、俺たちがここにきてから1週間経ってからだった。
それまでの間、どうやらグルコンの調査が秘密裏に行われていたようだ。
そのことを知ったのは、ピロリンからでて、次のドームへ向かっている最中だった。
「…そうだったんですね」
沢朗さんからの話を聞いて、俺はそう返す。
「そうだったんだよ。グルコンの崩壊の謎と救助が緊急の課題だったから、それでいろいろとやる必要があってね」
「みんな無事だったんですか」
「グルコンにいた人らは、全員避難していて大丈夫だったよ」
そう言って、沢朗さんはハンドルを握りながら、じっと遠くを見ていた。