表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/137

36章目 本

ただ、別の本に、詳しく書かれていた。

ここに越さされた理由だ。


大統領暗殺未遂事件とは、本の中ほどに書かれていた。

それによれば、人口抑制へと舵を緩やかに切り始めた地球は、統一した政府を作ることになり、それが地球政府と言う名称になった。

その元首と代表者として、地球大統領というのが作られたらしい。

だが、2代目の大統領がきわめて悪かった。

その大統領を暗殺することを目的として、3人は集まったらしい。

毒殺未遂、銃撃未遂、爆殺未遂、その他、いろいろとしたらしいが、どれも失敗したらしい。

そして、そのうちの一つから足がついた。

で、逮捕されたということだそうだ。

だが、これも未確定であって、実際に行われたのかどうかはまったく不明だという。


彼らが火星へと連れて来られた理由も書かれていた。

地球は、当時人口飽和寸前であった。

コップに水を溢れんばかりに入れていて、あと1滴で溢れるという感じだ。

その時、月はすでに開発し尽くされていて、もう人が住む場所はなかった。

そのため当時の地球にある政府たちが目を付けたのが、火星だ。

火星はまだ人類が到達した場所ではなく、そこに移住をさせるということになっていたらしい。

だが、先遣隊を誰にするかで紛糾した。

そこで選ばれたのが、アウトローたちであった。

それが、伝説の3人と言われている人たちである。

彼らによって火星が一部であっても住めるようになった時点で、彼らの役目は終わった。

地球の政府たちは、その時点で彼らを全員殺すことにしていたらしい。

その中で、伝説の3人は逃げ出した。

火星の大気がごく希薄と言っても、ボンベを背負い、建物から建物へと車を飛ばし、その途中途中で食料やいろいろを強盗しつつ入手したそうだ。

それ以後、彼らの行方は誰も知らない。

ゆえに、当時あった火星統一政府は彼らを神格化するために伝説の3人と命名して、教科書に載せた。

彼らが地球で何があったかは知らないが、彼らの顔は教科書に載り、一目見た瞬間で誰もが分かるという仕組みを作りだした。

そして、誰かが見つけたら、火星政府、すでにドームごとの政府になっていたのだが、彼らを殺すということになっているらしい。

このことは、火星行政長官のみが知ることであり、ここに記すことは単なる陰謀論としてのみだという。


伝説の3人が行方不明になってからは、教科書に載っている通りである。

つまり、第1段階から第2段階、そして発展的永住を目的とした第3段階へと進んだ。

だが、地球はすでに人口飽和を起こしている。

その時は、火星へどっと移民が押し寄せるだろう。

はたして、火星の住民たちはどうするのであろうか。

そして、伝説の3人は、何をするのだろうか。


そう、本は結ばれていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ