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33章目 行政院長
「到着早々、お連れしてしまい、申し訳ありません」
行政院長は、白髪の男性だった。
「いえ、こちらも急に立ち寄らせていただいて、ありがとうございます」
沢朗さんが行政院長に言う。
俺たちは勧められるままに椅子に座った。
クッションがかなり効いている。
「さて、問題は何が起こったか。それを我々は知りたいと思っています」
「何かが引き金になった。それは間違いないでしょう。その引き金になったのは、おそらく私たちと一緒に来たロボット、エリーゼだと考えています」
「ほう。それはどうして」
エリーゼは俺たちの後ろに、ジッとしていた。
「エリーゼ、本名はアナムネーシスと言いますが、彼女は伝説の3人が作ったロボットです」
その名前を聞いて、驚いている行政院長は、ふぅと息を吐き出し、そして続けた。
「なるほど。そして伝説の3人が、何かしらのコマンドを実施したと」
「そう言うことです」
どちらにせよ、エリーゼが関わっていることには変わりない。
そして、伝説の3人も。