31章目 爆発音
バギーを走らせてしばらくすると、前見たにと似たような郊外施設が見えてきた。
「あれは、ピロリンとの間にある郊外施設だな」
沢朗さんが、方向を確認しながら言う。
その時、後ろから爆発音が響いてきた。
近い訳ではないのだが、とても心配になる音だ。
「あそこに入って、確認してみよう」
沢朗さんの提案で、俺たちは郊外施設に飛び込んだ。
幸いにして、空調設備は壊れていないようで、特に問題なく呼吸をすることができた。
「今度は誰もいないようね」
武器を持ちながら、嬉子さんが言う。
「エリーゼを繋いでみよう」
言いながら、エリーゼを郊外施設の設備のコンピューターへ接続をする。
「接続…完了。でーたを吸い上げます。さきほどの爆発音については、グルコンの第1段階での爆発で、第3段階についてはなんら影響はない。以上です」
「そうか、ならよかった」
ホッとした表情をしているが、沢朗さんは、神居さんの心配をしていたのだろう。
「どうしますか」
「どうするもこうするも、先に進むしかあるまいて」
俺が聞くと、すぐに沢朗さんが答える。
たしかに、それしか道はないだろう。
そういうわけで、郊外施設で一晩過ごしてから、翌日、俺たちは燃料や食糧を補給して、一路ピロリンへと向かった。