30/137
30章目 今生の別れ
第1段階には、ここまで乗ってきたバギーと神居さんがいた。
「神居、何が起きているんだ」
「分からない。ただ、システムがどこからかの攻撃を察知して、緊急モードに入った。これまでシステムがあっても起動しなかったところだ。こうなると、俺は緊急モード時の行動マニュアルに沿わなければならん。ここでお別れだ」
神居さんが沢朗さんをハグした。
「ああ、お別れだ」
それから振り向きもせずにバギーへと乗り込むと、閉鎖されつつあるドームに別れを告げた。
そして、俺たちはグルコンから逃げれた。
ライトメイヤーとは、出会うことはなかった。