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27章目 自宅待機
家にいろと言われて数分が経つと、少しずつではあるが、電気が暗くなっているような気がし始めた。
「ねえ、暗くなってない?」
澤留も同じことを感じ取っていたらしい。
どうやら、電力系統になんらかの負荷がかかって、電圧が低下し始めたらしい。
遠からず将来、バシッと消えてしまうだろう。
それまでに復旧してくれることを願っていた。
どこか遠くで、声が聞こえる。
何かを呼び掛けている声のようだが、何を話しているのかが俺にはさっぱりだ。
だが、澤留には聞こえたようで、内容を教えてくれる。
「非常事態を宣言しているから、緊急時プロトコルに従って、自宅に待機せよって」
澤留が言った直後に外を眺めていると、掃除ロボットが自動停止して路肩にいた。
どうやら、電源がいよいよピンチのようだ。