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25章目 蓄電機
翌日、俺と澤留と神居さんは一緒に発電設備のところへと向かった。
「ほら、はやくって」
「お前、昨日は一体いつ寝たんだよ……」
俺より遅く寝て、朝にはすでに起きていた。
澤留はきょとんとして俺に答える。
「私、寝てないよ」
すでに眠くなりつつある俺は、それでやっと目が覚めた。
神居さんが俺たちを連れて来てくれたところは、ソーラーによって発電した電気を貯蔵する蓄電池の塊りがあるところだった。
「おっきいですね」
澤留が神居さんに言った。
「高さ3m50cm、幅21m、横5mの蓄電池だよ。昔は超電導によるバッテリーを使っていたそうなんだけど、常温超電導が実用化されないまま、耐久年数を迎えてしまってね。それで骨董品だけど耐久力が高かったこの子たちが活躍することとなったんだ」
優しく手を置きながら、子供のように見つめていた。
「このような蓄電池が、それぞれの端、合計18あるんだ。このドーム全体の電力は、それ以外にも、発電機能付き焼却炉によって賄われているんだ」
神居さんは澤留が写真を撮っているのも何も言わずに見ていた。