22章目 都市
ドームの大きさは、グルコンのほうが圧倒的に大きいように感じた。
「グルコンって、大きいですね」
俺は、先頭を歩いていた沢朗さんに言った。
「ああ、アセスルファムを受けて作られたからな。ここでは、その失敗やら成功やらを組み合わせられているんだ」
沢朗さんに言われて、ドームの空を見てみると、何本もの巨大な鉄骨が点の一点に向かって伸びていた。
それらの間を埋めるように、半透明の膜のようなものもある。
あれはたしか、ソーラーパネルになっているという話を、授業で聞いたことがあった。
アセスルファムにもあったから、きっと同じ物を使っているのだろう。
「それで、これからどこへ向かってるんですか」
澤留が、俺のすぐ後ろから、沢朗さん達に聞いた。
「ああ、警察署だよ。ここで活動するなら、滞在許可もらっておかないとな。何かあった時に困るし」
案内されている間に、いろいろなところをきょろきょろと見回してみたが、清潔そのものであり、30階はあろうかという高層ビルが、あちこちにそびえたっていた。
「すごい光景…」
箒を持ったロボットが、路肩を吐きながら、ロボットの足元にあるチリトリへとゴミを集めていく、
「ここじゃ、これが普通さ」
賑やかな道を想像していたが、ロボットが掃除している以外には、俺たちが歩いているだけだ。
「他の人たちは…」
「今の時間帯は、ここは夜だから。みんな眠ってるか、家へと入ってるんだよ」
神居さんが教えてくれた。