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134章目 ガシャン
「少し澤留と話してもいいか」
「ああ、いいぞ。好きなだけ話してもらって構わない」
少し離れたところへと歩き、いやただ移動して、俺らはひそひそ話を始める。
「どう思う」
「このまま死ぬのは嫌だ。でも、みんなはどうなるんだろうってことも思う。できるなら、私は生きていたい」
「そうだな、俺も同じ気持ちだ。沢郎さんたちが覚えていなくても、君と一緒にいつまでもいたいと思ってる」
「それって告白?」
「……かもな」
いますることじゃないのはわかってる。
でも、今しないと、次の機会がわからないから、今しておきたかった。
それだけだ。
「それで話し合いの結果はどうだ」
KLSの誰かが俺らに声をかける。
「ああ、受ける。俺らを外の世界へと出してくれ」
「よく言ってくれた」
誰かが教えてくれた。
とたん、ガシャンと大きな音が世界に響いて、意識が消えた。