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132章目 種明かし
「じゃあ、君ら3人だってAIなのか」
俺は思わず声を荒げて聞いた。
「そうだ、だが、元は違う」
「元?元も何も、君らがここにいるということが君らが仮想現実と称しているこの世界の住人であることの証拠じゃないのか」
俺がさらにヒートアップしていくのを、澤留がおびえた子犬のような目で見ているのに気付いた。
それで少しは頭が冷静になる。
「俺らは3人で1チーム。それは変わらん。そして、この世界を観察するために現実と称する別世界から送り込まれてきた監視員だ。それぞれに専門分野があり、この世界に入り込むために必要な状況をあらかじめ設定づけられていた。だが、ここは今日で終わりだ」
3人が横一列になって俺と澤留と相対する。
パンパンパンと3回、さらに連続してもう3回。
3人が同時に拍手する。
すると今までいたところが急に暗転して、それから一瞬目がくらみそうになるほどに明るくなった。
まぶしいと思って目が慣れるまでの短い間、見たことがない真っ白な部屋の中に俺たちはいた。