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129章目 不思議
「少し不思議だったと思わないか」
俺が澤留に話しかける。
「突然人が消えることとか、今まで何回もいったところで突然現れたエリーゼとか?」
触るがそんな俺に答えてくれた。
「そうだよ、たった100年足らずでここまで火星に植民できたってこともあるけど、それ以上に不思議だったのはあちこちから入れるあのエルゴって場所だ。まったく同じ場所が2つも3つもあってたまるか。それもあんな大量のサーバー群、何に使ってんだ。ドームごとの管理だったら、ドームごとにあるコンピュータでできるだろ」
「……じゃあ、あのエルゴってなに」
澤留が少しおびえたような表情を浮かべる。
それは俺も同じことだ。
「それに、この世界は、いったい何なんだ」
俺は澤留に続いて独り言をつぶやいた。