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125章目 反論
「人類は生存する。それは明らかな決定事項だな。だが、それは僕らがいままで生きてきたことに、その目的に反する。だからこそ、君が人類の跡を継いで、この世界を維持してほしいと願った。君に人並み以上の知性を与えるようにプログラムしたのも、それが理由だ」
ライトメイヤーの言葉は、確かにエリーゼへと届いている。
しかし、エリーゼはそれをさらに拒否していく。
「私は、それでもこのことに意味がないと思います。人類は、私が知っている人類は、その程度のことでくじけるようなものではなく、更に進化を続けていくことができるはずです。なのでここで人類を滅亡させるようなプログラムを起動することはできません」
「ほれみろ、やっぱり人格ルーチンは邪魔をするじゃないか」
公楽がライトメイヤーをせせら笑った。