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119章目 単刀直入
ドアを開けると一気に風が内側へ向かって吹き込む。
まるで減圧していたかのような強風も少しの間だけだった。
数秒で風がやむと、今度は声が聞こえる。
「……なんでだ、完璧な計画だっただろ。なんでやつらがここを見つけることができるんだ」
「知らないよ、私達の計画のどこかに穴があったってことだろ」
仲間割れ?と澤留がつぶやいているのがはっきりと聞こえてくる。
でも、それにも気づかないくらいに、ただ俺らにはどうやら気付いているらしい。
明確にこちらを見ている眼があるから、気づいているということには気づいた。
問題は、これから彼らは何をするつもりなのか、ということだ。
「……エリーゼは何処だ」
俺はとにかく気になっていることを単刀直入に尋ねた。