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112章目 お休み
「では、1ヶ月ほどは待たなくてはな。その間、何をしよう」
「みんなはどうなっているんだ」
ライトメイヤーの言葉に、俺は言う。
「催眠状態、といえばいいかな。何も知らなく生活をしているよ。そうか、君らもそろそろ戻る時間だな。このあたりのことも忘れてもらわなければ……」
「何を言っているんだ」
ライトメイヤーがぶつぶつとつぶやいているのに、俺は言い返そうとする。
「記憶を変えさせてもらうよ。アナムネーシスのことも、忘れてしまうように」
「そんなことする必要が?」
俺の横から、澤留の声が聞こえた。
「ああ。知らなければ、それを探すことはない。知っていれば、それを探す必要はない。それが君らを守るためにも必要なんだ」
お休み、お二人さん。という声が聞こえたような気がした。
何をされたかわからないまま、俺らはその場に崩れ落ちた。