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109章目 全弾破壊
「予想外のことみたいね」
澤留が俺に耳打ちする。
俺はうなづいて、そうだな、と答えた。
どうみても、想定外、パニックに陥りつつあるようにみえる。
ただ、それでも冷静さを失わないのは、真似すべきなのかもしれない。
「……くそっ」
万策尽きたのか、ガンガンと拳でモニターを殴りつける。
それでも何かないかと、ライトメイヤーは残る二人に矢継ぎ早に指示を出し続けた。
「だから言ったでしょ」
指示を実行しながらも、スーザンがライトメイヤーに言う。
「Bプランを用意しておくべきだって」
「ああ、そうだな。この案がいけないと判断された場合に備えて、な」
どうやら対策はあるようだ。
最後の一発が破壊され、周辺がもうもうとした破片で覆われていくと、突然衛星からの画像が消えた。
「衛星は破壊されたようだ。爆発が近くで起こったのだろう」
公楽はゆっくりとした口調で告げた。
「じゃあみんな、用意はいいな」
ライトメイヤーは切り替えたようで、一瞬でパニックを起こしていた顔から変わった。