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108章目 防衛
「火星は本来は、攻撃できるものは持ち込めなかったのだよ」
ライトメイヤーが説明をしてくれた。
「それって、いわゆる地球の人たちが決めたってこと?」
澤留が聞いた。
「そういうことだ。攻撃用のものがなければ、攻撃を仕掛けるということ自身意味がないことになる。だからこそ、他の国がしないように、見張るための衛星が置かれることになった。それを今見ているのだよ」
ライトメイヤーは簡単な説明にとどめ、映像を見ることに集中した。
どうやら、この防衛網を突破することは簡単だというらしい。
しかし、そこでライトメイヤーが考えてもいないことが起こった。
衛星のうちの一機が突然今まで進んでいた向きから反転し、ミサイルへと向かったのだ。
予期していなかったようで、それを阻止しようとして動いているうちにも、さらに攻撃を衛星はくわえていく。