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102章目 階段
その扉の向こうは、地下に続く階段だった。
「風が吹いてくるな……」
その風は少し生暖かく、何か臭いも交じっている。
腐ったような、ただ腐敗とまで言いたくはないようなにおいだ。
しかし、生暖かい風のおかげで、より不気味さは増している。
「行こう」
階段へ澤留が足を踏み出すと、パッと明るくなって先が見えるようになった。
一段、二段と降りるにつれて、その明るいエリアが増えていく。
「どう見ても誘ってやがるな」
何が待ち受けているかはわからないが、ただ、俺たちは進むしか道が残されていない。
エリーゼも含めて、階段へ3人とも入ると、家の扉と同じように階段の扉もピタリと閉まり、ビクともしなくなった。
「正解かどうか知らんが、進む以外にはないんだな」
そのことを再確認させられ、俺たちは階段を降りた。