扉の前のクリスマス
おや…(・・?
どうやら、女性が困っているようです…
私はしばらく経ってから小窓を覗く。
(今日はどうかな。)
扉の前には、大量のプレゼント。
色とりどりのラッピングが大量にある。
私の口からは、落胆のため息が出た。
(またか…)
外には出ずに、いつも通り在宅ワークを済ませる。
その間にも、プレゼントは扉の前にあるのだろうかという思いが頭を駆け巡る。
前の部屋にいる彼は、イケメンで仕事も優秀で誰にでも優しい。
だが、私は彼にとても悩まされていた。
扉の前のプレゼント。
(ホントになんなんだろう…)
部屋から出て行く彼を見たことがあるがガッカリしたような顔をして職場に向かっている。
(その顔をしたいのはこっちだよ…)
いい加減にして欲しい。
さっさと諦めてくれないだろうか。
仕事を一通り終えると、コーヒーで一息つく。
凝った肩をマッサージ機でほぐしながらスマホを見る。
好きな実況者さんの動画を見ても、プレゼントの事が頭から離れない。
(あ〜ダメだ…仕事にも支障が出そう…)
そっと小窓からまた覗く。
一つ増えているプレゼント。
どれも手がつけられていないまま、キラキラと輝いている。
まるでここだけクリスマスのようだ。
(考えるのやめよう…)
頭を振って、リビングへと戻った。
ピーンポーン…
インターホンの音が鳴った。
ドキドキと心臓が音を立てる。
しかし、声の主は確かめなくとも分かった。
「宅配便でーす」
ダルそうな顔で段ボールを持つおじさんから荷物を受け取り、私は仕事前に空けてしまうことにした。
「お〜!コレコレ!」
水色の可愛いマグカップ。
今は、こういう癒ししか私の心を落ち着かせてくれる物は無い。
気分を変えて仕事に集中する。
(頑張れ私…!)
カタカタとキーボードを打って、またしばらく経った頃。
自分でセットしたアラームを止めて息をつく。
「今日も疲れたぁ〜」
カーテンの外は薄暗くなり、もうそろそろ1日が終わってしまう事を告げていた。
段ボールから出しただけだったマグカップ。
机の上に移動させておいて私は念のため、また小窓の外を見る。
大量のプレゼントはそのまま。
「もう…最悪…」
部屋に戻り、机の引き出しを開ける。
カップが水色だから、同じようなラッピングにしようかな。
今日は一度プレゼントはしたけれど、特別にもう一度アタックしてみよう…!
カップをラッピングして、彼の扉の前に置く。
仕事熱心な彼は、まだまだ家に帰ってこない。
それにしても、いつになったら私のプレゼントは受け取って貰えるのだろうか。
「受け取らないって意地を張るのいい加減諦めてくれないかなぁ〜」
私は落胆のため息をついた。
(だけど、私にあんなに優しくしてくれるんだから…きっと両想いなのも分かってる)
仕事でいっぱいいっぱいだった、疲れた私が落としたハンカチ。
拾って笑いかけてくれた彼の顔。
今思い出しても胸がドキドキする。
恥ずかしがりやの彼…本当は絶対にプレゼントを喜んでいるに違いない。
私は小窓から見ている。
いつ受け取ってくれるのかと。
顔の微笑みを絶やさぬまま。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
『プレゼント』を題材にしたホラーを作成したくて思いついた作品です!(>ω<)
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