前編 6 お風呂でナミちゃんが弄るのは……
その日の夜、僕がお風呂に入っているとナミちゃんの声がした。
「樹くん! お母さんから新しいパンツ預かった! 古いの捨てなさいって! どんなの履いてるの?」
「あ~!! 見るな!」
「もう見ちゃったよ~!! キャラクターもの履いてるんだ!意外とお子ちゃまだね!」
「だから、それはもう古いのなんだって!!」
外に向かって怒鳴りながら顔を赤くしていると引き戸がガラガラと開いた。
「私も入るね」
「ええっ??!!!」
僕が仰天して湯船から飛び上がるとナミちゃんはクツクツと笑った。
でもどこかのマンガみたいに水着オチじゃなくて、顔や手足とは違って日焼けしないクッキリと白い裸の胸は
その……
ふっくらしてた。
「や、やめろよ!!」
大声で怒鳴って背を向ける。
「今日守ってくれた事へのほんのお礼!」
「その前に!ナミちゃんは僕の命の恩人じゃん!」
「じゃあ、お互いさまだね! でも樹くん! こっち向いて!」
「向かねーよ!」
「大事な話なんだよ」
「なんだよ!」
「私に何かあったら、今日みたいに守ってね! 樹くんに何かあったらいつでも守ってあげるから!分かった?!」
「うん」
「こっち向いてよ!」
「分かったからいいだろ!」
「良くない!! 不誠実! そんなヤツは~!!」
背中からナミちゃんの手が伸びて来て僕の胸をギューッ!とつねった。
「イテテテ!」
浴槽に潜って逃げようとしてもナミちゃんは後ろから抱き付いて攻撃の手を緩めない!
「お前!いい加減にしろ!!」
怒りで向き直るとナミちゃんは自分の胸をグイっと反らせた。
「じゃあ反撃してみれば!!」
僕は裸のまま、みっともなくも茫然と立ち尽くした。
<後編へ続く>