第9話 そして俺は
地球に行ったが、パロはいなかった。正確には地球人達の様子を見るに、なんとか撃退したことが分かった。俺にテレパシーの能力はない。さすがにちょっと心配になったので、パロを探してみると、近くの惑星で案外すぐ見つかった。
「痛い…」
そこには戦意喪失したパロがいた。思ったより地球人たちが強かったらしい。地球人というよりは、機械とか謎のヒーローみたいなやつらに負けたとパロはムカつきながら言った。話を聞いていると、彼はもう地球侵略を諦めたことが分かった。
彼の落ち込みようはかなりのものだったが、俺は正直地球人たちに同情してた。いやだってさ、普通に暮らしてただけなのに訳分からん奴に侵略されたら嫌でしょ。そら怒るわ。まぁさすがに今のパロの前では言えないけどね。暫く毒づいたあと、パロは諦めがついたようだった。
「やっぱ俺、間違ってたよ」
やっとか、と思いつつ俺は頷く。
「やっぱり誰も住んでない星を侵略すべきだったんだ!幸い俺が飛ばされたここは誰もいないみたいだし、俺はここで王国を作る!」
もうなんか好きにしてくれと思った。まぁパロの中で結論がまとまったんなら良いだろう。王国ができたら遊びに来てくれ!と晴れやかな顔のパロに見送られ、俺は自分の星に戻ろうとした。
しかし、帰ろうとして俺は振り返る。パロを探して向かったときに一瞬見た地球が気になっていたんだ。
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