第3話 ソロキャンプで他の人と会うと気まずいよね
海では癒されなかったので、今度は山に行くことにした。ここなら人間も少ないしね。
木は歩くときに突っかかるから鬱陶しいけど、上から全体を眺めると意外と良いもんだよ。自然は心が洗われるというけど、それは納得するわ。傷ついた心は塩水じゃなくてやっぱり森に洗われるべきだね。
最近人間がソロキャンプっていうのを始めてるって聞いたんだ。まぁ俺が今いる山は人間があまり来なさそうだから鉢合せないだろうけど。
俺もちょっと真似しようかなって思ったけど、そもそも俺が入るテントが無いんだよね。テントのないキャンプって野宿やん。野宿とキャンプの違いってテントの有無だと思うわ。
まぁ野宿でも心が癒されることには変わらないし、ソロキャンプっていう名目でやってみよう。自分がキャンプって思えばもうそれはキャンプなんだよ。
じゃあまずは何しようかな、そう思ってたら遠くに人影が見えた。いや、これは人じゃないな。人よりちょっとでかい。物珍しさに近づいてみる。前みたいに逃げられたら嫌だからこっそり遠くから眺めると、でかい猿みたいな感じだった。
「ひーばーごーん!」
どうした?なんか急にしゃべりだしたな。え、てかこれもしかして人間が騒いでたUMAのヒバゴンじゃん!!めっちゃテンション上がったわ。握手してもらおうかな。そう思って自分の手を見る。
あれ、俺もUMAと大差なくね?
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