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第27話 ニートじゃない、これは人生の休息だ

 俺は会社を辞めた後、吾郎の家でまったりしていた。たまに散歩に出かけるくらい。


 吾郎も最近疲れ果てていた俺を見ていたのか、特に何も言わなかった。うん、多分こういうところから怠けって始まるのかもしれないね。吾郎に世話してもらっているのは分かっているんだけども、どうしても甘えてしまう。


「飯だぞー」

「はーーーい」


 変に伸びた返事をして、食卓へ向かう。鮭がうまい。食い物に罪無し。ちゃんといただこう。箸ももうちゃんと使えるようになったなぁ。これだけ見ても、成長はしてるんだよね。


「調子はどうだぁ?」


 吾郎が心配そうに顔を眺める。顔色は良くなったなと安心している吾郎を見ていると、怠けている自分が申し訳なくなる。


「まぁ、ぼちぼちだよ」


 ご飯をかきこみ、俺は食卓を後にした。今って復職のチャンスだったんじゃないかと思うが、時すでに遅し。俺はすぐに自分の部屋に入り、布団に転がり込んだ。


「散歩行くかぁ?」


 ある日、吾郎が珍しく散歩に誘ってきた。普段はあんまり外に出たがらないのに。まぁ、それは俺も同じか。せっかくだし、一緒に行くことにした。


「気持ちええなぁ」


 今日は気持ちいい快晴だった。それでいて暑すぎない。散歩にはもってこいの環境だった。久々に2人でゆったりとした時間を過ごし、吾郎がカフェに行こうかと言い出した。俺は特に何も考えずついていった。うまいもの食べられるかなくらいだ。


「お前さん、何か勘違いしてねぇか?」


 吾郎が真面目な顔つきになる。俺は怒られることを覚悟した。家じゃなくて安心すらした。いつまでも護身である。


「金を稼ぐことだけが、生きる意味じゃねぇんだで。無理すんなぁ」


 吾郎が微笑む。身構えていた俺は、驚いてのけぞった。


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