第15話 灯台上明るし
さぁ、前回のおさらいだ!俺が火を噴いたのは覚えているかな?実はあの火がとんでもない展開を巻き起こすんだ!今回!!「どこまでも輝け!」ぜってぇ見てくれよな。
え、急にどうしたのかって?ストレスだストレス、気にしないでくれ。人ってあまりにストレスがたまると次回予告じゃなくて今回予告したくなるんだよ。
まぁ今の俺の状況を聞けばお前らも納得いくと思うぜ。ポエの親がやっと迎えに来たんだ。良かったねぇじゃねぇよ。第一者になってみろってんだ。5日って言ってたのに1か月以上待たされたんだぜ?
「本当にありがとうございました!!」
母親はポエを大事に抱えてお礼を言った。父親も深々と頭を下げている。流石に怒れない。
どうやら宇宙に出たはいいものの、暫く迷っていたらしい。俺は知らなかったけど宇宙空間の電磁波が少し乱れてるらしくて、位置情報の共有がうまくできなかったそうだ。
「そんなとき、あなたの吐いた炎が目に入ったんです」
俺の炎を目印に2人はなんとか地球に来て、今というわけだ。まあこれで一件落着だな。
俺はこの1ヶ月のポエの様子を2人に伝えた。ひとまずホッとしていたようだった。むしろポエの成長に驚いてたよ。
なんだかんだ感動の再会になったわけだが、別れは唐突に訪れた。
「この1ヶ月、星の仲間達とは連絡が取れていません」
仲間達に心配をかけないためにも、早めに帰る必要があるらしい。それはそうだ。
ポエを含めた3人は飛行船に乗り込んだ。
ポエとの別れを惜しんでる人間達もいる。俺との再会は誰も嬉しがらなかったのに。まぁそんなことで、飛行船が上昇していく。
「ポエ、ポエ~!!」
ポエが身を乗り出す。なんだよ、粋なことしやがって。泣けてくるぜ。後ろから父親も出てくる。
「ギューさん!本当にありがとうございました!
」
涙が引っ込んだ。俺の名前はギューじゃなくてジャックだ!という声は飛行船に届く前に風にかき消されてしまった。
暫く見ていると、大事なことを思い出した。
「あ!お礼貰ってねぇ!!」
戻ってこい!と手を振る俺には目もくれず、飛行船は空の彼方へと去っていった。
「ギューさん、本当にいい人だった」
「あなた、お礼とか渡さなくて大丈夫だったかしら」
「なに言ってるんだ、彼は1ヶ月も居てくれたのに対価のことなんか一言も口に出さなかったじゃないか。こちらから何かを言うのは彼の顔に泥を塗ることさ」
「ポエー…」
「いいか、お前も大きくなったらああいう怪獣になるんだぞ!」
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