第12話 子守りより引きこもりたいんだが
俺の脳に誰かが直接語り掛けてきた。プライバシーとか知らんのか。
「もしもし、今息子の近くにいる方ですか?」
息子?何の話だろう。
「ポエ!ポエ!」
こいつか。過剰に反応してるし。
「あぁ、良かった!!保護してくれてありがとうございます」
保護してるつもりはなかったけど、お礼とかくれるかもしれないからそういうことにしておこう。
「いえいえ、大変でしたよ」
短い文の後半で本音が出た。少し恩着せがましいけど、事実だし良いだろう。ポエの親は暫く感謝の言葉を述べた後、間を置いた。お礼の事だと思った俺は、頭の中の欲しいものリストを漁っていた。
「ちなみに、今息子はどこにいますか?」
あ、まぁそれはそうだ。俺は地球について、細かい説明をした。
ポエとその親は瞬間移動の能力を持っているが、まだ子どものポエは上手くそれを制御できなかったらしい。かくれんぼの途中、気づいたらいなくなってたんだと。確かにかくれんぼで子どもが消えたらめっちゃ焦るわ。
ポエの親はどうやら地球の場所を理解したようだ。頭が良い種族は助かる。そう思っていると、急にブローが飛んできた。
「大変申し訳ないのですが、迎えに行くまでの5日間息子を見ていただくことは可能でしょうか?」
この状況で断れる奴いる?いねぇよなぁ…。
俺は仕方なくポエの面倒を見ることにした。すべてはお礼の為に。
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