白髪との出会い
「起きろNo.0、朝だ」
強靭な鉄格子を挟み中にいる人間に早朝が告げられる
静かに、機械的な声で告げられたその音に反応して一人の少年がもぞもぞと動きやがてゆっくりと目を開けた
左腕と壁を頑丈な鎖で繋がれていて両足を伸ばした状態でダランと冷たい地面に座っている
開ききっていない目は鉄格子の向こうの人間を睨んでいる
扉の開閉音と同時に先ほど朝を告げた男がが中に入ってくる
「飯だ」
そう言うと男はポケットから小さなビンを取り出し
「デガァール」
と魔法を唱えてポケットに入る小さなビンを手のひらサイズにまで巨大化させた
ビンの蓋を開け中には言ってるものを鎖に繋がれている男の頭にかけるそれはドロドロとしたヘドロのような者でとてもじゃないが人間が食べれる代物とは思えないが少年は頭から顔に垂れてきたヘドロをすすり始める
ズバァァ!!!
突如大きな切断音が部屋に響き渡る
鎖に繋がれた男がその音の発生源では鎖に繋がれる少年の右腕が切断された
気づいた、、、
気づいた、、、
気づいた、、、
普通の人間なら自分の右腕がなくなっている事実に絶望し切断面から発生する大きな痛みに悶絶し流れ出る赤い血に身を震わすだろう
だが少年は気にしない、まるで右腕が切り落とされるのが当たり前かのように、痛みも、出血も、絶望も、生物として当たり前の現象が発生しないのだそして次の瞬間、、、
ズズズズズ
切り落とされたはずの右腕の再生が始まった。
切断面から骨が再生し再生した骨に何千本の筋繊維が絡み付く10秒もたたずにそのうでは切り落とされる前と遜色がないレベルで再生を完了していた。
「相変わらず化け物だな、、、」
切り落とした腕を回収した後腕を切られても気にせずヘドロをすする化け物に気持ちが悪そうにそう吐き捨てた。
「デガァール」
やるべきことを終えた男は外に出るためビンの大きさを戻しながら扉へと足を運んだそして鍵を閉めようとして、、、
ダッダッダッダッダッ
「どけぇーーーーーーーー!!!!!!!」
突然猛ダッシュで走ってきた白髪の男に蹴り飛ばされた。
「ッチ邪魔なんだよ王族の犬が!!!」
怒りを露にする白髪の男焦っているようで身体中から汗を吹き出し呼吸も多少荒れていた。
「やっと魔石が揃ってきたんだこんなところで捕まってたまるかってんだよ!!!とにかく早く脱出、、、あ?なんだこりゃ牢屋か?」
ふと白髪は目を横にやる。そこには屈強な鉄格子があった。鍵がかけられていない扉があった。そして
「お前、、、誰、、、?」
人間がいた。声がした。鎖に繋がれた少年が声をだす。それが白髪の耳に届く。
「なんで、、、いるんだよ、、、」
鍵の閉まりきっていない扉を開いて困惑した様子で歩み寄る白髪と虚ろな目の化け物が対面した。
◇ ◇ ◇
「はぁはぁはぁ」
牢獄から解放された少年と白髪は牢獄から出て30分ほどいりくんだ地下をを逃げ惑い外まで脱出することに成功した。
白髪が少年を抱き抱えてずっと走っていたため息を絶え絶えにその場に腰をおろす。
少年はキョロキョロと回りを見る。夜で回りは暗かったが暗い牢獄に長い時間いた少年にとっては関係がない。ヒラヒラと羽ばたく小さな存在を発見し好奇心に身を任せてその存在を捕まえてみようと、、、
「それで、、、てめぇはなんなんだ!!!」
直後に胸ぐらを捕まれ困惑と怒りを乗せたこえで白髪が言葉を発する
「まずなんであんなところにいた!!あそこはこの国の城の地下室の一角だぞ!!俺も初めて入ったが一国の王が地下で人を監禁してたってわけか?」
「え、あ、、、」
「それに、てめぇが食べてるヘドロどう見ても食い物じゃねぇ!!そんなものを食べてるってことは人間とは体の作りが違うのか?」
「あ、お、、、」
「お前をあそこにぶちこんだのはだれだ!!お前は人間なのか!!お前はいつからあそこにいた!!答えろ!!」
牢屋にいたときには考えられない音量が鼓膜を刺激し少年は怯むそもそも少年は読み書きは出来ず話せる言葉も六歳児程度の能力しか持ち合わせていない
しかし白髪はそんなことは分からない、ここに長居すると追手が来る可能性があるし、こいつが何者か分からないのに下手に自分の隠れ家に連れていくのも悩ましい
『なんで俺はこんなガキを連れてきちまったんだ、、、』
少年を放して自分の行いを後悔しながら頭を抱える。質問をしても怯えた様子で黙ってしまう少年を見るとおそらく警戒心を解いてくれても有益な情報は手に入れられそうにない様に思えた
気にせずここに置いていくそれが最善の選択だ。王城の地下に捕まっていた事から国にとっても重要人物かもしれない少年を助けるために時間を使った時間を囮にすれば取り戻せるだろう
それに少年を匿えばただでさえ行動しずらい状況が悪化してしまう
「、、、おい、ガキ、お前名前は?」
「名前、、、なに、、、?」
「名前を知らんのか、、、」
なぜこんな選択を思い付いたのか、なぜ選択したのか