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18.手違いで拷問されたけど寛大だから許すわ。


「…」

「……」

「………」


「やばい!」

「やばいね。」

「やっちゃいましたね。」お互いの事情を聞いた3人は苦笑いする。

「なら今すぐ憲兵を止めないと!さっさと止めてこい!」イケメンは側近に支持する。


「あ、いやほんとすいません。そんなエレノアさんのお友達だなんて思わないじゃないですか〜。」イケメンは焦りながら言う。

「いや、こっちも怪しかったかもしれないけど、流石に拷問はやりすぎじゃない?」私は文句を言う。

「いや、本当すいません。とにかく一緒に行きましょう!はやく止めないと!」イケメンは焦る。

「それは同感。お互い誤解が解けたなら早く対応しないとね。さあ、早く行かないと!」私は外に出ようとする。

「拷問の怪我とか大丈夫なんですか?」イケメンは恐る恐る尋ねてくる。

「ええ。大丈夫。さあ行きましょう!」私はそう言ってさっさと部屋を出る。

なんで大丈夫なんだろう?彼は思った。


そういえば、今のイケメン私の事を心配してくれた?いい子じゃない!

私はそう考えた。こんな優しい人間ならばエレノアを任せても大丈夫だろう。私は確信した。

そう。イリーナは他人に心配されることに飢えたちょろい女であった。




「よかった。ファラリスの雄牛メイデン汚れてないじゃん。掃除しなくていい!やったあ!」側近は小躍りしていた。



・・・・・・・・・・・



 「いやほんとよかったよね。たまたま捕まえて拷問したのが私だったからよかったけど、違う人だったらあなたの恋は終わってたわよ?」私は呆れながら言う。

「そうだな。お前でよかったよ。っていうかなんで無事なの?」イケメンは尋ねる。

「それより、あんた名前は?」私は尋ねる。

「それよりじゃないんだが?まあいいや。私の名前はアレクサンダー・オーセンだ。」アレクサンダーは自己紹介する。

「よろしくねアレックス!」

「距離の詰め方…」アレックスは呆れた。


「はやく止めないと取り返しのつかないことになる!」私は走るスピードを上げる。

「ああ。エレノア嬢に怪我をさせるわけにはいかない!」アレックスもスピードアップする。当然足が遅い私は置いて行かれた。



「…」目の前に広がる光景を見てアレックスは呆然とする。

「ね?取り返しがつかないって言ったでしょ?まあ、間に合ってよかったじゃない。」

「言うほど間に合ってるか?」アレックスは完全に制圧され拘束されている憲兵たちを見てつぶやいた。

「あっ!イリーナさんと…誰?」マグネスと竜太郎に気絶させられた憲兵たちを魔術で拘束しているソフィーが手を振る。 私も手を振った。

「どういうこと?」アレックスは困惑した。

「自分で考えなさい。」私はそう言って隅っこでレオンの後ろに隠れているエレノアの方へ歩いて行った。


「エレノア?なんかその、ここの憲兵と色々手違いがあったらしくて。話は通してるから。大丈夫?」まずどこから説明すべきか悩む。

「これが手違いの結果ですか?」エレノアは目の前に広がる光景に動揺する。

「まあ、そういうことね。憲兵にはあっちの金髪が話をしてくれてるから終戦よ。」私はマグネスたちに戦闘を止めるように合図する。


そして、たった5人に敗北してしまった憲兵たちもこちらを睨みながらすごすごと立ち去って行った。


「大丈夫でしたかエレノアさん?」

「はい。皆さんのおかげです。」エレノアはぺこりとお辞儀する。

「よかったです。」レオンが胸を撫で下ろす。



「おいアレックス、エレノアいるけど告白したら?」私はアレックスに呼びかける。

「え?」彼は一瞬顔をピクリとさせる。

「恥ずかしいなら呼んでやろうか?おーいエレn…」呼ぼうとした私の口を塞ぐ。

「待て待て!バカなのか?手違いで殺しかけた後に告白なんてできるか!」アレックスは小声で捲し立てる。

「え?私なら別になんとも思わないけど?」私は首を傾げる。

「あんたはそうなんだろうな!だが人間は普通そんな思考にならないんだよ!」アレックスは呆れながら言う。 イリーナはその防御力故に寛大である。

「まあ、奥手なのも良いけどちゃんと攻めるところは攻めないとだめよ?まあ、私も偉そうに恋愛語れる立場じゃないけどね…」

「お、おう。お互い大変だな。」アレックスはなげやりな返事をする。


「まあ、話しかけづらいなら私がそれとなくいいように言っておいてあげるけど?」

「やめてくれ!不安すぎる!」アレックスは即断る。

「じゃあどうするの?このまま悪印象だけ残して終わるの?」私の言葉にアレックスは考え込む。

「でも、どうすれば…」アレックスは項垂れる。

「小さなことでいいのよ。案外小さいことで人の心は動くものだから。」私はアドバイスする。

アレックスはしばらく考えると頷いて歩き出す。


「エレノアお嬢様…ですよね?よければこれ使ってください。」アレックスはエレノアに高級そうなハンカチを渡す。エレノアは土煙で少し汚れてしまっていた。

「あ、ありがとうございます。」エレノアは少々困惑しながらもハンカチを受け取る。

そのままアレックスは逃げるように私の元に戻ってきた。

「頑張ったね。」私はとりあえず褒める。

「あと、お詫びに夕食をご馳走する。拷問部屋のあった屋敷だ。皆で来てくれ。」アレックスは恥ずかしそうに言う。

「控えめなのね。」

「小さいことでいいんだろ?」アレックスは不服そうに睨む。

「まあ、そうは言ったけど。まあ、私も恋愛弱者だから偉そうなこと言えないんだけどさ。」私はため息をつく。

「そうなのか?お前普通に見た目は良いからモテるだろ?」アレックスは不思議そうに言う。

「防御力が高すぎる女はドン引かれるの。悲しいね。」

「かわいそうに…」アレックスは目を閉じた。



その後私たちはアレックスの用意した豪勢な食卓を囲んだ。

直接会いにくるわけでもなく食事を用紙してもてなすなんてアレックスも奥手だなと感じた。まあ、コソコソ見に来ているこちらも似たようなものか。

あれ?普通にお似合いなのでは?私は考える。エレノアは奥手で良い子だし、アレックスも私の事を心配してくれる優しい男だ。これは素晴らしい。二人をくっつけるため何かをしなければと思った。

お酒が入って頭がお花畑になっていたイリーナは、エレノアとレオンがずっと楽しそうにおしゃべりしているのに気づかなかった。


竜太郎はからまれないように隅っこに逃げていた。


お忍び編・完


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